道高校長協会等文教要望への道教委回答③
(道・道教委 2015-09-01付)

 道高校長協会(富田敏明会長)、道高校教頭・副校長会(家近昭彦会長)、道公立学校事務長会(永井進会長)の『二十八年度北海道文教施策に関する要望書』に対する道教委の回答はつぎのとおり。

5 研修の充実強化について

(1)教員の専門性を高める研修

 高度情報化や科学技術の進展に対応する産業教育研修の充実や学習指導要領に対応する研修、生徒の心のケアに実践的に対応できる教育相談研修の充実に努めることを要望する。

【回答】

 産業教育研修については、これまで水産、家庭、農業、工業、商業について実施しているが、科学技術等に対応した研修内容を取扱うよう努めており、また、教育相談研修については、演習などを中心とした実践的な内容を実施している。

 各研修とも、今後も引き続き、今日的な教育課題や学校現場の実態に応じた内容の充実に努めていく。

(2)学力向上を推進する研修〈重点〉

ア 授業実践セミナー等の研修拡充を要望する。

イ 難関大学合格のための研修充実を要望する。

ウ アクティブ・ラーニングの研修充実を要望する。

【回答】

 「授業実践セミナー」については、教員の教科指導力の向上を図るため、二十一年度から学力向上に関する事業の取組の一つとして実施しており、二十五年度からは、本セミナーを「教科指導セミナー」として継続するとともに、大学進学を目指す生徒を指導するために必要な授業力を高める「進学指導セミナー」を新たに実施するなど、改善を図った。

 また、二十七年度は、道教委の「課題解決に向けた主体的・協働的な学び(アクティブ・ラーニング)推進事業」の一環として、「教科指導セミナー」において、アクティブ・ラーニングを取り入れた授業実践を取り上げ、協議の機会を設けるほか、アクティブ・ラーニングに関する全道研究大会を開催し、先進的な取組の紹介や公開授業等を実施し、研修を充実していく。

 今後とも、これらのセミナーの実施内容・方法の改善に努めていく。

(3)学校の課題に対応する研修

ア 危機管理に関する実践的な研修の充実を図ることを要望する。

【回答】

 道教委では、コンプライアンス確立会議など、教職員の服務規律等に関する研修機会を設定している。

 さらに、教職員の不祥事防止のため、研修資料等を作成・配布している。

 また、学校安全教室、全道学校安全研究協議会、各教育局管内での学校安全推進会議など、学校安全等に関する研修機会を設定している。

 さらに、学校安全の徹底など、学校の危機管理体制の確立を目指し、『学校における危機管理の手引(改訂2版)』『安全教育実践事例集』『学んDE防災(地震編・津波編・風水害編)』等を作成・配布している。

 各学校においては、こうした取組を積極的に活用して、危機管理の一層の徹底を図っていただきたいと考えている。

イ 特別支援教育に関する校種間の連携の在り方を含めた実践的な研修を繰り返し実施するとともに、特別な配慮を必要とする生徒一人ひとりのニーズに応じた個別支援を充実させるための研修等の施策を講じることを要望する。

【回答】

 初任段階教員研修等において、特別支援教育についても取扱うよう準則に定めている。

 特別支援教育総合推進事業の取組の一つとして、発達障がいを含む特別な教育的支援を必要とする幼児児童生徒に対する指導や支援の充実のため、特別支援教育コーディネーター等を対象とした「特別支援教育充実セミナー」において、個別の指導計画の作成活用等について演習を中心とした実践的な内容を実施している。

 また、特別支援学校の教員を高校に派遣し、学習指導の進め方、個別の指導計画や個別の教育支援計画の作成などについて支援を行う「特別支援教育パートナー・ティーチャー派遣事業」を全道域で実施しており、こうした取組を通して、各学校における障がいのある生徒一人ひとりの教育的ニーズに応じた指導や支援を充実させるための研修等の支援に努めていく。

(4)教員免許更新制の環境整備

 教員免許更新制については、円滑に行われるよう、交通不便地で勤務する教員の受講環境の整備を含め、関係機関と十分な連携を図ることを要望する。

【回答】

 これまで、更新講習に関する北海道地区国立大学教員免許状更新講習実施事務センターの会議に参加するなど、本道の実情に即した講習が開設されるよう、道教育大学等と必要な連携に努めてきた。

 また、各大学等の実施する更新講習について、道内の国公私立学校や市町村教育委員会に対し、周知や情報提供を行うなど、教員免許更新制の円滑な実施に努めている。

6 教職員の待遇改善について

(1)給与改善措置〈重点〉

ア 十八年度から続いている教職員給料・諸手当の縮減については、二十七年度末の措置後は、直ちに完全に回復を図ることを要望する。

【回答】

 給与の縮減措置については、「道財政運営の健全化のための給与措置」として実施しているものである。

イ 給料表の最高号俸の上積み措置について、引き続き努力することを要望する。

【回答】

 教育職三級および四級にかかる号俸については、人事委員会勧告に基づき、十八年四月一日から三号俸(新給料表においては十二号俸)、また、行政職三級から七級、教育職二級にかかる号俸については、二十七年四月一日から八号俸の増設を図っており、今後においても、人事委員会の勧告を尊重することを基本としながら対処していく。

ウ 各種手当の削減・縮減等、教職員の待遇について改変を行う場合は、特に慎重な対応をすることを要望する。

【回答】

 教職員の給与については、人事委員会の勧告を尊重することを基本とするとともに、国における義務教育費国庫負担金の算定基準の改正状況および他府県の状況等を踏まえ、検討していく。

エ 寒冷地手当の支給水準の回復

 寒冷地手当の支給については、本道の特性と物価の状況に配慮するよう関係機関に申し入れることを要望する。

【回答】

 寒冷地手当については、今後とも、人事委員会勧告を尊重することを基本としながら対処していく。

(2)行政職員の待遇改善〈重点〉

ア 事務長全員に管理職手当を支給するなど、職責に応じた待遇改善を図ることを要望する。

【回答】

 管理職手当については、人事委員会勧告に基づき、十九年四月から、管理職員の職務・職責を端的に反映させるため、従前の支給割合の引き上げを行った上で定額化を図った。

 また、事務職員等の給与改善については、これまでに事務長の格付基準の改善や管理職手当における支給対象校の拡大を図ってきており、現段階においては、現行以上の措置を講ずることは困難であると考えている。

イ 国における公務員制度改革の動向等を見極める中で、行政職員の待遇改善について引き続き取組を進めることを要望する。

【回答】

 管理職手当については、人事委員会勧告に基づき、十九年四月から、管理職員の職務・職責を端的に反映させるため、従前の支給割合の引き上げを行った上で定額化を図った。

 また、事務職員等の給与改善については、これまでに事務長の格付基準の改善や管理職手当における支給対象校の拡大を図ってきており、現段階においては、現行以上の措置を講ずることは困難であると考えている。

ウ 学校事務体制の維持と事務職員の資質向上に向けた事務主任・事務職員・職務換職員の階層別研修の実施および研修機会の確保と実務研修の充実を図ることを要望する。

【回答】

 事務主任および事務職員について、可能な限り研修受講の機会を確保するとともに、資質能力向上につながる育成・支援の方策を検討していく。

(3)校長・副校長・教頭・事務長の待遇改善〈重点〉

ア 人材確保・育成の観点から、給与・管理職手当等、職責に応じた給与・手当等待遇の在り方について早急に改善し、直ちに完全回復することを要望する。

【回答】

 教職員の給与については、人事委員会の勧告を尊重することを基本とするとともに、国における義務教育費国庫負担金の算定基準の改正状況および他府県の状況等を踏まえ、検討していく。

 なお、給与の削減措置については、「道財政運営の健全化のための給与措置」として実施しているものである。

イ 管理職手当の縮減については、直ちに完全に回復を図ることを要望する。

【回答】

 給与の縮減措置については、「道財政運営の健全化のための給与措置」として実施しているものである。

ウ 女性管理職のための条件整備を要望する。

【回答】

 関係機関が共通認識に立って、女性教員の活躍推進に向けた取組を検討するための会議を設置し、管理職を含め、人事上の配慮事項などについて検討することとしている。

エ 主幹教諭の待遇改善を要望する。

【回答】

 主幹教諭の給与改善については、人事委員会勧告を尊重することを基本としながら対処していく。

(4)舎監等の待遇改善

 寄宿舎を有する学校教職員の業務が過重であることから、舎務手当の増額、舎監の増員および農業経営者育成寮の寄宿舎指導員の配置等の加重負担軽減措置の改善を進めることを要望する。

【回答】

 舎務手当については、道独自で措置している手当であり、他府県の状況や厳しい道財政の状況を踏まえると、増額は難しいものと考えている。

 また、舎監の増員については、寄宿する生徒の数が五十人以下の場合を除き、農業経営者育成高校には三人、その他の学校には一人の教員定数を「標準法」に準拠し措置していることから、増員は難しいものと考えている。

(5)公宅の新築・補修等

 老朽化した公宅の改築や補修の一層の促進を図るとともに、地域の実情に応じて改築・改修年限の短縮措置を講じるなど、特に郡部の住環境の改善を要望する。

【回答】

 公宅については、道有施設の長期的視点に立った効率的な施設整備を進めることとし、十九年十月に策定した「教職員住宅有効活用プラン」「教職員住宅長期修繕計画」に基づいて、経過年数や老朽度、公宅需要等を考慮し計画的に既存公宅の修繕等を行っている。

 今後も、当該プラン等を踏まえて、公宅の適正な管理に努めていく。

7 事務長の職務・職制の明確化と学校事務の効率化について

(1)事務長の職務と職制等

 事務長の職務と職制等に関し、関係条例・規則等において、一層の明確化を図ることを要望する。

【回答】

 事務長の職務や職責・権限については、学校教育法施行規則第八二条、道立学校管理規則第六条第一項および第七項で規定されており、さらなる明確化については、法令等の改正を踏まえて対応していく。

(2)学校事務の簡素化・効率化

ア 学校事務の簡素化・効率化を図るため、副校長、教頭、事務長の専決事項の見直しについて、引き続き研究を進めることを要望する。

【回答】

 副校長、教頭、事務長の専決事項については、「道立学校事務専決代決規程」を定めているが、さらに事務効率を図るべき事項等について、高校長協会等からも意見を伺いながら、研究していく。

イ 現金取扱に伴う金銭事故を防止するため、日本スポーツ振興センター共済掛金の現金取扱いによる納入について改善を図ることを要望する。

【回答】

 共済掛金の納入方法について、二十三年度末に見直しを行い、特別支援学校の加入希望者については、納入通知書による徴収方法に改善(新一年生については、入学式当日に現金で徴収しているため、新一年生を除く在校生を対象)した。

 また、年度当初における共済掛金の納付日を、四月八日~四月二十二日から四月六日~四月三十日へ延長しており、今後の改善について引き続き、関係各課で協議しながら検討していく。

ウ 道高校奨学会奨学金について、直接奨学会から支給する方式を取り入れることを要望する。

【回答】

 道高校奨学会奨学金の支給方法については、関係部局や道高校奨学会とともに、引き続き、改善に向けた検討を行っていく。

8 学校健康管理の充実について〈重点〉

 不安やストレスに伴う不登校・薬物等の乱用・性の逸脱行為等が問題となり、生徒の心の健康管理が一層重要になっていることから、学校の実情に応じて、スクールカウンセラーの拡充やスクールソーシャルワーカーの派遣および関係専門機関との支援体制の構築を図ることを要望する。

【回答】

 スクールカウンセラーの配置については、国の「スクールカウンセラー活用事業」(国庫補助事業)を活用し、七十四校の高校に月一回程度、年間を通して計画的に相談活動ができるよう配置しており、二十五年度からは、通年配置している高校以外の学校へも派遣できるよう取扱要領を定め、予算措置した。

 また、緊急的に生徒の心のケアを要する場合は、スクールカウンセラーの緊急派遣を実施している。

 つぎに、スクールソーシャルワーカーの導入については、国の「スクールソーシャルワーカー活用事業」(国庫補助事業)を活用し、二十年度から市町村と委託契約によって配置している。さらに、二十六年度からは道教委でも二人のスクールソーシャルワーカーを任用したが、二十七年度は、五人に増員し、道立学校へ派遣できる体制を整えた。

 道教委では、スクールカウンセラー活用事業およびスクールソーシャルワーカー活用事業は、学校の教育相談体制の充実を図る上で重要な事業と考えており、引き続き、国に対して、制度の充実を要望していく。

 また、道財政は極めて厳しい状況にあるが、引き続き、予算の確保に努めていく。

9 体育・文化活動の振興について

(1)高校体育・文化活動への道費補助

 体育・文化活動振興のため、高体連・高文連・定通体連に対する補助金の増額を図ることを要望する。また、事務局体制の維持について、特段の配慮を要望する。

【回答】

 高体連および定通体連に対する補助金の増額については、道の厳しい財政状況から困難であるが、引き続き、予算の確保に努めていく。

 高文連に対しては、全国高校総合文化祭生徒派遣費の補助を行ってきたが、二十三年度をもって廃止しており、今後も、道の厳しい財政状況から、補助は困難であると考えている。

(2)大会参加旅費の補助

ア 高体連、高文連、定通体連の全国大会に出場する生徒の交通費等について、特に、定時制・通信制に通学している生徒は経済的に困窮している家庭が多い状況にあることなどを考慮し、予算確保することを要望する。

【回答】

 高体連および定通体連に対して行っていた全国体育大会生徒派遣費の補助については、二十四年度をもって廃止しており、今後も、道の厳しい財政状況から困難であると考える。

 高文連に対しては、全国高校総合文化祭生徒派遣費の補助を行ってきたが、二十三年度をもって廃止しており、今後も、道の厳しい財政状況から、補助は困難であると考えている。

イ 専門学科等の各種クラブの全国大会に出場する生徒の交通費等について、補助することを要望する。

【回答】

 新たな財政措置を伴う補助は、道の厳しい財政状況から困難である。

(3)使用料の減免措置

 道立の文化施設等の使用料の減免措置の拡大を要望する。また、定通体連大会など、日程の都合上、自校施設を使えない場合もあることから、公共体育施設使用料の減額措置を要望する。

【回答】

 観覧料の免除や利用料金の減免をしてきているが、今後も、これらの措置を行っていく。

(4)学校図書館の充実〈重点〉

 改正学校図書館法の趣旨を踏まえた学校図書館への学校司書の配置について、計画的に進めることによって、アクティブ・ラーニング・スペースとして、また、豊かな人間性を形成する場としての学校図書館の充実を図ることを要望する。

【回答】

 学校図書館担当事務職員(いわゆる学校司書)については、高校標準法に準拠し、十二学級以上の全日制高校に事務職員を一人定数配置しているが、さらなる配置については、国による定数改善がなければ難しいものと考えており、今後とも、一層の定数措置の拡充について国に要望していく。

10 二十一世紀を担う人材育成のための特色ある教育推進

(1)キャリア教育の推進について

 高校生のインターンシップ等を通したキャリア教育の推進のため、引き続き、予算の増額を図り、関係機関等との連携を強化するとともに、研修の充実を図ることを要望する。

【回答】

 高校生のインターンシップについては、望ましい勤労観・職業観を育成するため、重要な体験活動の一つであることから、引き続き、「高校生インターンシップ推進事業」の予算の確保に努めるとともに、経済団体等に対し、インターンシップへの理解と協力についても継続して要請していく。

(2)グローバル教育の推進について

 グローバル社会において、リーダーシップを発揮し、国際的に活躍する人材等を育てるグローバル教育を推進するために、道教委の担当課が知事部局や関係機関等との連携を強化し、充実を図ることを要望する。

【回答】

 これまでも、グローバル人材の育成に向け、知事部局などの関係機関や団体との連携のもと、「道英語教育推進会議」や「スーパーイングリッシュキャンプ」のほか、ALTの指導力向上研修や海外からの研修旅行の受け入れ等によって、外国語教育および国際理解教育の充実に取り組んできた。

 さらに本年度は、道内の高校生がPC等を活用し、海外の高校生等と意見交換を行う場として「U―18未来フォーラム」を実施する予定である。

 今後とも、知事部局などの関係機関や団体との連携を一層進め、これらの取組の充実を図るとともに、文部科学省の「スーパーグローバルハイスクール」の取組においても、知事部局等と連携し指定校の取組を支援するなどして、グローバル人材の育成に向けた教育の充実に努めていく。

(3)ICTを活用した教育の推進について

 情報化社会の中で、個人が社会の変化に応じ、生涯にわたり職業能力や就業能力をもち、社会生活を営んでいく上で必要な知識・技能などを習得・更新できる先進的な教育の推進およびICT支援員の配置を要望する。

【回答】

 ICT教育の推進については、ICT活用教育促進事業を活用し、本年度から三年間、段階的に研究を進めている。

 実践指定校五校にタブレットを配備し、主体的・協働的な学び(アクティブ・ラーニング)や遠隔授業におけるタブレット等のICTの効果的な活用について研究する。

 また、学生ボランティア等とも連携し、ICT支援員の在り方についても研究する。

 本事業における研究実践校の取組を検証し、成果を普及できるよう努めていく。

11 メンタルヘルス対策の充実について

 教職員が心身の健康の保持、増進を図るため、関係機関を活用した予防的なメンタルヘルスケアの取組を積極的に推進することを要望する。

【回答】

 教職員は、日常的に児童生徒と接する立場にあり、その人格形成に大きな影響を与えることから、学校教育を円滑に実施するという観点からも、健康を維持することは重要である。

 したがって、教職員の健康は、目指す「学校力向上」や「学校づくり」等の基盤であり、メンタルヘルス不調や病気を予防する取組の推進は、学校経営上の重要な課題の一つと考える。

 道教委では、メンタルヘルス対策として、教職員の病気休職者のうち、約七割が精神疾患による休職者である現状を踏まえ、「予防の取組」に重点を置いた、新たな「道立学校職員等のメンタルヘルス計画」を策定し、六月二十二日付で各道立学校長あてに通知し、取組の充実をお願いした。

 本計画による取組の重点として、①職場研修等の充実②衛生委員会の活性化③メンタルヘルス・アクションプランの策定―などを示すとともに、具体の事業として、管理職研修の充実や、「心の健康総合相談室」の相談員に新たに校長経験者を配置する等の関連事業の充実を図っている。

 また、「学校の取組にかかる留意事項」を道立学校教頭あて事務連絡によって、知らせている。

 今後とも、教職員の精神疾患の未然防止、早期発見、早期対応に向けたこれらの取組を一層推進していく。

12 教員の時間外勤務の取扱いについて

(1)時間外勤務の縮減に向けた取組については、週休日における進路指導や部活動指導などの実態を踏まえて、より効果的な取組等推進するよう要望する。

【回答】

 教育職員の時間外勤務等の縮減については、二十一年八月に策定した「取組方策」に基づき、具体の取組を進めるとともに、ことし二月には、二十六年二月に決定した「部活動指導の見直しにかかる申し合わせ」について再度周知を図った。

 また、「時間外勤務等縮減推進会議」での議論などを踏まえ、本年度から、変形労働時間制の対象業務を拡大するとともに、新たに「時間外勤務縮減に向けた重点」として「管理職員による業務管理の充実」を加えた。

 業務改善を積極的に推進していくためには、校長が力強いリーダーシップを発揮していく必要があることから、校長先生においては、改正された制度を効果的に活用するとともに、部活動休止日の取組や業務管理の充実の取組がより実効性のあるものとなるよう工夫改善をお願いする。

 今後とも、「推進会議」での議論などを踏まえ、実施できるものから取組を進めていきたいと考えているので、時間外勤務の縮減に向けて、これまで以上に積極的な取組をお願いする。

(2)変形労働時間の対象については、地公法や給特法の規定はあるものの、一ヵ月を超える割り振りや、対象業務を拡大するなど、学校現場の実態に即した柔軟な対応の検討を要望する。〈重点〉

【回答】

 教育公務員を含めて地方公務員については、一ヵ月の変形労働時間制は適用となるが、地公法第五八条第三項によって、一年間(一ヵ月を超え一年以内の期間)の変形労働時間制(労基法第三二条の四)は適用除外となっている。このため、道教委では、「修学旅行の引率業務等に従事する道立学校職員の勤務時間の割振り等に関する要領」において、その対象期間を「当該業務を行う日の属する週を含む四週間(一ヵ月の変形労働時間制〈労基法第三二条の二〉)」と定めており、対象期間の拡大は困難と考えている。

 また、変形労働時間制の対象業務については、その業務が児童生徒に直接指導を行うもの、計画的に行われるものであるかなどを総合的に勘案し、修学旅行の引率業務や、文化祭・体育祭等の業務、さらに、二十七年度からは、登校時の通学指導業務などに対象を拡大してきており、今後は、新たに対象とした登校時の通学指導業務などの活用状況を確認するとともに、時間外勤務等縮減推進会議での議論なども踏まえ、対象業務が適切なものとなるよう、引き続き検討していく。

13 部活動の位置付けについて〈重点〉

 学習指導要領に部活動の位置付けについて示されたことを踏まえ、各学校の規定等に部活動指導を校務として定めることができるよう、道立学校管理規則に部活動を位置付けることを要望する。

【回答】

 部活動は、学校の教育活動の一環として希望する生徒の自主的・自発的な活動として行われているものであり、生徒の心身の健全な発達や社会性を養う上で大きな役割を果たしているものと考えており、位置付けも含め、部活動の在り方については、引き続き検討していく。

(おわり)

(道・道教委 2015-09-01付)

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