道普通科高校長研究協議会開く　評価方法の一層の研究を　開会式で前川部会長あいさつ

（関係団体 2015-09-01付）

　道高校長協会普通部会は八月二十八日、ホテルライフォート札幌で二十七年度道普通科高校長研究協議会第三十回札幌大会を開いた。開会式では、前川洋部会長があいさつ。学校で生徒に身に付けさせるべき資質・能力と、そのために必要なアクティブ・ラーニングなどの新たな指導方法に目を向ける必要性を指摘するとともに、評価方法の研究が一層進められるよう期待を寄せた。

　同大会の研究主題は、「北海道の未来を担う人を育む普通科教育の創造」。約二百人が参加した。

　開会式であいさつに立った前川部会長は「各学校において、大きな改革の波が目の前に迫っているという危機感を全教職員が共有する必要があるが、大学入試改革ばかりに目を向けていないか」と問題提起。「何より注視しなければならないのは、学力の三要素に基づく能力やメタ認知できる力など、学校で身に付けさせるべき資質・能力と、それを身に付けさせるために必要なアクティブ・ラーニングなどの新たな指導方法」と指摘した。

　また、「評価が適切に行われてこそ、指導方法が生きてくる」と述べ、「各学校においては、アクティブ・ラーニングなどの新たな指導方法についての研修が行われていると思うが、学力の三要素を踏まえた観点別の評価をはじめ、ルーブリックなどの評価方法の研究が一層進められることを期待している」と呼びかけた。

　道教委の赤間幸人高校教育課長と札幌市教委の長岡豊彦教育長が来賓あいさつ。

　赤間課長は、各学校において、「課題解決に向けた主体的・協働的な学びの推進」に努めるよう求めた。また、「道いじめ防止基本方針をあらためて確認するとともに、各学校のいじめ防止基本方針や組織が実効性のあるものとなっているかを見直し、いじめの未然防止、早期発見・早期対応に取り組んでいただきたい」と述べた。

　長岡教育長は、札幌市の高校教育の取組を紹介し、「成果と課題を明らかにするとともに、今後も、高校教育の一層の充実に向けて、国の動向などを踏まえながら、改革と創造の取組を進めていくことが必要」と述べた。

　開会式後、道税理士会会長の石丸修太郎氏が「社会の根源である税について考えてみましょう～現代社会における租税教育の在り方について」と題して講演。

　全国普通科高校長会事務局長の宗像敏夫氏が全国情勢を報告した。

　そのあと、研究協議Ⅰでは、知内高校の吉瀬献策校長が「あらためて、生涯教育の視点からの学校経営の推進～知内高校は教育特区か」、札幌聖心女子学院高校の阿部益太郎校長が「本校におけるＩＢ・ＳＧＨ等の取組について」と題して研究発表した。

　研究協議Ⅱでは、壮瞥高校の五十嵐晋校長が普通部会調査研究委員会の調査研究「北海道の未来を担う人を育む高校教育の創造～グローバル社会に対応する普通科教育の在り方」の最終報告を行った。

(関係団体 2015-09-01付)