豊かな教育の実現へ 札教組が第47次教育研究集会(関係団体 2015-09-02付)
札教組が教育研究集会
札幌市教職員組合(筒井比呂志執行委員長)は八月二十八日、札幌市内の共済ホールで第四十七次札幌市教育研究集会を開催した。約五百人が参加。子どもたちを育成する豊かな教育の実現に向け、基調報告や記念講演に臨んだ。
冒頭、筒井執行委員長があいさつ。集団的自衛権の行使を容認する法案の強行採決や、原発再稼働など安倍政権を批判。「私たちは、次代を担う子どもたちに民主的な教育を保障する責任がある」と述べ、①平和で民主的な社会を自らの手でつくり出すこと②平和で民主的な社会を形成するにたる力量を教育という仕事を通して育むこと―の二点を強調。「子どもの権利条約や権利条例の理想を生かした教育の実現を目指し、具体的な取組を継続していかなければならない」と呼びかけた。
来賓あいさつでは、札幌市の町田隆敏副市長が登壇。市が子どもの権利条例を施行していることにふれ、「子どもが安心して生きる権利、自分らしく生きる権利など子どもにとって優しい教育、基本というものをあらためて考える必要がある」と述べた。
来賓紹介やメッセージ紹介に続き、松浦丈夫執行副委員長が基調報告。「序列化や過度の競争による学力向上ではなく、子どもの視点に立ち、学びの在り方を問い直していく必要がある」と指摘したほか、「ゆとりがあって分かる授業、楽しい学校を目指し、子どもを中心ととらえた実践とはどうあるべきかを教育研究集会を通して論議を深めていこう」と呼びかけた。
このあと、元京都大学原子炉実験所助教の小出裕章氏が「いい加減に夢から覚めるべき~原子力から撤退を」と題して記念講演=写真=。小出氏は、原子力発電は効率の悪い蒸気機関であると、その仕組みを説明したほか、「広島に投下された原爆で用いられたウランの重量は八百㌘で、百万㌔㍗の原子力発電所一基が一年運転するごとに燃やすウランの重量は約一㌧である」とその危険性を指摘した。
高レベル廃棄物の隔離処分については、宇宙や海洋底、氷床処分といった方法は技術や条約の面で実施することが厳しく、地層処分しか残っていないことを説明したほか、プレートがひしめき合う日本において、地震の巣となっている場所と原発の立地点について図を使って示した。
放射性物質の隔離が求められる時間の長さが百万年であることも説明し、「原子力のもつリスクは未来永劫の世代にわたることから、未来犯罪と呼ぶべきもの。原子力から撤退すべき」と呼びかけた。
今後は、分科会を二十五日と二十九日、十月三日に北海道教育会館で行う予定。
(関係団体 2015-09-02付)
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