札幌市中学校長会法制・経営研修会 子の可能性を伸ばして 市教委・大友教育次長が講演(関係団体 2015-09-07付)
札幌市中学校長会法制・経営研修会
札幌市中学校長会(猪股徹会長)は二日、ホテルライフォート札幌で二十七年度法制・経営研修会を開催した。札幌市教委の大友裕之教育次長が講演し=写真=、学習指導要領の改訂を見据えた札幌市の教育の方向性を提示。「一人ひとりの子どもの可能性を最大限に伸ばして」と求め、変化に適応できるリーダーとなるよう期待を寄せた。
演題は「札幌の教育をめぐる最近の動向について」。大友教育次長は、学習指導要領改訂のポイントについて説明。未来予測が困難なこれからの時代に必要な資質・能力の視点として、「何を知り、何ができるか」「知っていることやできることをどう使うか」「どのように社会・世界とかかわりより良い人生を送るか」―の三つを挙げ、子ども自身の「学ぶ力」の向上の大切さを強調した。
課題探究的な「学ぶ力」の向上を目指してきた市の教育と、学習指導要領の方向性として示された「アクティブ・ラーニング」の類似性についてふれ、授業改善が大きなポイントとなることを示唆した。
特に、アクティブ・ラーニングに関しては、「教師が教え込み、子どもは覚え込む授業から脱却し、主体的・協働的な学習を目指すもの。アクティブ・ラーニングをすることが目的ではなく、学習指導法として、目標・ねらいをはっきりさせるべき」と各校の創意工夫の発揮に期待した。
このほか、①札幌市における中学校英語教育②「特別の教科」道徳③学校図書館司書④インクルーシブ教育システム⑤運動部活動の充実⑥教職員の年齢構成―などについて今後の方向性を示した。
①では、十月からALTを増員することや、今後は一定規模の中学校へのALTの通年配置、そのほかの中学校への週一回のALTによる授業を目指すことを示した。③では、中央中に司書を配置した実績をもとに、全中学校への配置を目指すことも述べた。
④については、栄町中と栄町小で文部科学省のインクルーシブ教育システム構築モデル事業に取り組んでいることを報告し、国立特別支援教育総合研究所のホームページにある「合理的配慮」実践事例データベースを確認するよう求めた。
「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」が来年四月から施行されることについてもふれ、市立学校職員の対応要領を作成することを報告。二十七年末に「理念・事務手順編」、二十八年末に事例集をつくる予定となっている。
⑤では、顧問教諭が不在でも単独指導できる特別外部指導者を新たに設置すること、十月から十校でモデル実施することを述べた。
⑥について、五十代の教職員が多く、若年層やミドルリーダーが少ないデータを提示。今後も再任用のフルタイム勤務希望者が増える見込みであることを示し、三十代後半の教諭の学年主任や校務分掌チームなどへの積極的な登用と校長のリーダーシップに期待を寄せた。
最後に、「リーダーにはレジリエンスが求められる」と強調し、逆境や困難など強いストレスに直面したときに適応する精神力と心理的プロセスの大切さを説明。「予期せぬ変化に抵抗するのではなく、しなやかな心で受け入れて合理的に対応して」「一人ひとりの子どもの可能性を最大限に伸ばして」と呼びかけた。
(関係団体 2015-09-07付)
その他の記事( 関係団体)
環境の変化理解し、活動活性化を 道青少年育成協会が27年度道青少年育成大会
公益財団法人道青少年育成協会(佐々木亮子会長)は三日、札幌市内のかでる2・7で二十七年度北海道青少年育成大会を開催した=写真=。全道から四百人が参加。「少年の主張」や防犯に関する講演などを...(2015-09-08) 全て読む
道小が広域人事に関する調査の集計と考察 経験後、授業力向上・職場内交流に好影響 経済・精神的不安等で困り感
道小学校長会(松井光一会長)は、「二十七年度広域人事に関する調査の集計と考察」をまとめた。広域人事対象者の成果や困り感、対象校の課題、行政の対応などについて調査。対象者本人の困り感では、経...(2015-09-08) 全て読む
「配置計画」の撤回要求 学習権保障する教育政策を 道高教組・道教組が声明
道高教組(國田昌男中央執行委員長)・道教組(川村安浩執行委員長)は二日、道教委の「公立高校配置計画」「公立特別支援学校配置計画」に対し、「教育の機会均等、子どもの学習権を脅かす〝配置計画〟...(2015-09-07) 全て読む
全道大会へ授業づくりを 札幌市社会科教育連盟 夏の学習会に80人参加
札幌市社会科教育連盟(山岸徹委員長)は八月二十二日、札幌市立札幌小学校で夏の学習会を開催した=写真=。会員約八十人が参加。十一月に行われる第七十回道社会科教育研究大会札幌大会に向け、大会授...(2015-09-07) 全て読む
道高校商業クラブ研究発表大会開催 総合賞に千歳、旭川商業 生徒104人が日ごろの成果を
道高校長協会商業部会などが主催する第五十一回道高等学校商業クラブ研究発表大会兼全国高等学校商業研究発表大会道予選会が八月二十八日、札幌観光ブライダル・製菓専門学校大通公園ホールで開催された...(2015-09-07) 全て読む
札幌市中文連演劇ワークショップ上級編 ハイレベルな練習方法学ぶ
札幌市中学校文化連盟(本間玲会長)は、八月上旬の五日間、シアターZOOで「第六回中文連演劇ワークショップ上級編」を開催した。九校の生徒十五人が参加。青森中央高校教諭で演劇部顧問の畑澤聖悟氏...(2015-09-04) 全て読む
笑顔絶えない学びの場を 十教振が第62回複式校母の集い
【帯広発】十勝管内複式教育振興連絡協議会(綾野潔会長)は八月二十二日、本別町中央公民館で第六十二回十勝管内複式校母の集い本別大会を開催した。約百人が参加。大会テーマ「十勝野に育てよう、心豊...(2015-09-04) 全て読む
札幌市生活科・総合学習教育連盟が研究大会 学び実感する子の育成 アクティブ・ラーニング充実の一助に
札幌市生活科・総合的な学習教育連盟(礒島年成委員長)は八月二十八日、札幌市立元町北小学校で第二十三回札幌市生活科・総合的な学習教育研究大会を開催した。研究主題を「自分の学びを実感し、未来を...(2015-09-04) 全て読む
子とともに学び続けて 帯教研などが学年・学級経営研究協議会
【帯広発】帯広市教育研究会学校経営部会と帯広市教委は八月上旬、帯広市内のとかちプラザで二十七年度学年・学級経営研究協議会を開催した=写真=。帯広市立明星小学校の新井田文香教諭が実践発表を行...(2015-09-03) 全て読む
豊かな教育の実現へ 札教組が第47次教育研究集会
札幌市教職員組合(筒井比呂志執行委員長)は八月二十八日、札幌市内の共済ホールで第四十七次札幌市教育研究集会を開催した。約五百人が参加。子どもたちを育成する豊かな教育の実現に向け、基調報告や...(2015-09-02) 全て読む