札幌市伏見中と中央図書館が体験学習事業　読書への興味深めて　電子書籍の有用性も体感

（学校 2015-09-03付）

札幌市伏見中と中央図書館の読書と科学の推進イベント

　札幌市中央図書館と札幌市立伏見中学校（土佐林仁校長）は八月二十六日、同館で体験学習事業「読書と科学の推進イベント」を開催した。一年生二百十二人が参加。生徒たちは、書籍の中から本を探し出すレファレンス体験＝写真＝や、電子書籍の有用性等を学ぶ電子書籍講座を体験。読書への興味関心を高めた。

　同事業は、二十四年度から開始した図書館と学校教育による読書推進連携事業の一環として実施したもの。多様化する読書形態の紹介や図書館の利用方法を学び、本とのふれあいを通して読書への興味関心を高めることを目的としている。同校では国語の授業として位置付けた。

　レファレンス体験では、同館職員がガイダンスとして、書籍の検索方法を説明。所蔵館や請求記号から書籍を探し出す方法を伝えた。

　請求記号は、日本の小説には「９１３・６」など、書籍のジャンルごとに分類番号が振られていることや、著作者名に応じて五十音やアルファベットが割り当てられていることなどを解説。本棚の側面に掲示してある番号や文字は、請求記号に準じたものであることから、「それらを参考に書籍を探して」と呼びかけた。

　生徒たちは、普段は職員しか入ることのできない地下書庫に移動。職員立会いのもとで電動書棚を動かすなどしながら、書籍を探し出していた。

　電子書籍講座では、同館職員が「電子書籍の一番の特徴は、媒体と情報が分離できること」として解説。これまでの書籍では、紙と、紙に記載してある情報の分離はできないが、電子書籍の場合、電子書籍の購入者が所有するタブレット端末やスマートフォンで閲覧できるとしたほか、電子書籍はデータであることから、音楽データなどと合わせることも可能と伝えた。

　媒体の変遷については、亀の甲羅や粘土板、羊皮紙などを紹介。「軽量・廉価な紙の発明が、人類に本を読む機会を与えた」と述べたほか、紙を要しない電子書籍の登場によって、より手軽に文字にふれることができると語った。

　講義のあと、生徒たちは電子書籍を実際に体験。動物図鑑から聞こえる鳥の声などに驚いていた。

(学校 2015-09-03付)