東京フィルがやってきた! 音楽を全身で感じて 札幌市栄西小でオーケストラ公演(学校 2015-09-02付)
札幌市立栄西小で東京フィル演奏会
札幌市立栄西小学校(山崎俊宏校長)は八月二十五日、同校で東京フィルハーモニー交響楽団によるオーケストラ公演「東京フィルがやってきた!」を開催した。全校の子どもたちと保護者など約四百六十人が参加。子どもたちは、オーケストラで使用する楽器の紹介や同楽団による演奏を通して、楽器や音楽芸術への理解を深めたり、オーケストラの演奏がもつ音の迫力を体感したりしていた。
公演会は、文化庁が主催する「文化芸術による子どもの育成事業(巡回公演事業)」の一環として、将来の芸術家育成や国民の芸術鑑賞能力の向上を目的に実施したもの。子どもたちに対し、発想力やコミュニケーション能力の育成を図るため、優れた舞台芸術を鑑賞する機会を提供しており、当日は円光寺雅彦氏が指揮、山本愛花氏が司会を担当した。
同校では、音楽の授業として位置付けている。
楽器紹介のコーナーでは、弦楽器、管楽器(木管・金管)、打楽器の三種類について、円光寺氏が説明。楽器の特性が伝わりやすい楽曲の演奏などを通して、それぞれの楽器がもつ魅力を伝えた。
このうち、チューバの紹介では、チューバ奏者が童謡「どんぐりころころ」を演奏。演奏に合わせて子どもたちが歌いだし、「こんにちは」の部分では、奏者も一緒に歌っていた。
また、どんなものでも打楽器になるとして、紙やすりを用いた演目「サンドペーパーバレエ」を披露。子どもたちは、紙やすりをこすり合わせた音をメーンにした楽曲展開に驚いていた。
指揮体験では、二年生・四年生・六年生から代表してひとりずつ、ブラームス「ハンガリー舞曲第五番」を指揮。指揮を執るときの作法として、①客席に礼②オーケストラに礼③コンサートマスターと握手―の三つを学び、実際にタクトを振った。
子どもたちは、イメージどおりに演奏してもらう難しさを感じつつも、「指揮に合わせた演奏の変化が楽しい」と感想を述べた。
ベートーヴェンの交響曲第五番「運命」をボディパーカッションで体感するコーナーでは、山本氏が指導を担当。参加者全員がロック・ラテン・日本のリズムに合わせて太ももを叩いたり、ポーズを取ったりしていた。
プログラム終盤には、シベリウスによる交響詩「フィンランディア」を、オーケストラの伴奏で合唱=写真=。
最後に、山崎校長があいさつ。musicの語源は、ギリシャ神話に登場する芸術の女神・ミューズからきていることにふれ、「様々な芸術がある中で、音楽は神様の名前をもらっている」と伝えた。このほか、音楽を漢字表記した場合、「学」ではなく「楽」で表すのは、「音を楽しむものだから」と解説。「これからも、様々な機会を通して、音を楽しんでほしい」と呼びかけた。
同楽団に対しては、オーケストラの演奏を直に聞くことは、子どもたちにとって、「音楽を全身で感じられる貴重な経験である」と述べた。その上で、「このような機会を設けていただき、感謝している」と謝意を表していた。
(学校 2015-09-02付)
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