札幌市教委が27年度奨学生採用者数まとめ 1285人、総額1億円見込む より多くの学生・生徒を支援
(市町村 2015-09-08付)

 札幌市教委は二十七年度奨学生の採用者数を取りまとめた。辞退者を除く採用者は高校等一千二十九人、大学等二百五十六人の計一千二百八十五人。総額一億四十八万円の予算を見込んでいる。市教委では、奨学基金の周知を進めて寄付金を募り、より多くの学生・生徒を支援していく考え。

 市では、意欲や能力はあるが経済的な理由によって就学困難な学生・生徒を対象とした返還義務のない奨学金制度を昭和二十六年度から導入。公立高校で月額五千円、私立高校八千円、公立大六千円、私立大九千円の奨学資金や、入学支度金一万円から二万一千円を支給している。二十年度からは「小竹正剛奨学基金」を運用しており、既存の奨学生とは別枠で毎年採用している。

 財源は、市民の寄付金を積み立てた十八億八千万円と、小竹正剛奨学基金八億円の運用収入および市の予算で、二十六年度は市民から一億三千万円の寄付があった。

 奨学金制度の志願者募集は春と秋の年二回で、春は高校等や大学等に在学する学生・生徒が対象、秋は翌年に高校等や大学等に進学する生徒が対象となっている。

 奨学生の選考は書類のみで行い、二十七年度の奨学生採用者は高校等が一千二十九人と前年度より八人の減。志願者は一千五百二十六人で倍率は一・五倍だった。大学等の採用者は二百五十六人で、前年度より三人増えた。志願者は七百九人で倍率は二・八倍となっている。

 合計数は一千二百八十五人で前年度と比べ五人減。奨学金は一億四十八万円の予算となっている。

 内訳は一般枠が高校等八百九十五人、大学等二百十七人で、定時枠が高校等のみで十人。障がい枠が高校等八人、大学等十人となっている。このほか、小竹正剛奨学基金を活用した採用人数は高校等百十六人、大学等二十九人だった。

 過去の採用者数の推移をみると、二十年度六百九十八人から二十一年度には一千百六十九人と四百七十一人増加。市教委で「二十年度から二十二年度までに一千人に倍増」と第二次まちづくり計画に掲げたほか、二十年度からの小竹正剛基金の運用や二十一年度の市の緊急経済対策による追加採用が採用者数の増加を後押しした。

 市教委では、来年度以降も一千三百人程度の採用者数を目標に掲げており、奨学基金の寄付金も随時受け付けている。

(市町村 2015-09-08付)

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