道公立学校事務長会が研究協議会 精力的な学校運営参画を 講演や研究発表などで研鑚
(関係団体 2015-09-14付)

事務長会研究協議会
道公立学校事務長会が研究協議会

 道公立学校事務長会(永井進会長)は十・十一日の二日間、ホテルライフォート札幌で第三十四回道公立学校事務長研究協議会を開催した=写真=。約二百三十人が参加。主題「教育改革と事務長の役割」のもと、講演や研究発表などを通して、学校事務の在り方や事務長の役割について協議した。

 教育改革が進められる中、学校の自主性・自律性を確立し、特色ある学校づくりを展開していくため、事務長として学校経営の観点で職務を確立していくことが重要とし、今後の学校事務の在り方について研究協議・情報交換を行うとともに、その成果を生かして学校教育の円滑な運営・発展を目指した。

 初日の開会式で、永井会長があいさつに立ち、①道立学校の事務改善②就学支援金・奨学給付金③人材育成―の三点について述べた。うち、道立学校の事務改善では、「学校における業務量が削減となった実感がない」という会員の意見を受けて、二十八年度文教施策要望に「業務集約の達成状況を数値化するなど、業務量と事務職員の配置数が適切であるか検証することと、学校事務の効率化の推進」を盛り込んだことを報告した。

 さらに、調査研究部で、「北海道における事務改善の現状と課題」について研究し、他都府県の業務の集約化を調査することも説明した。

 就学支援金・奨学給付金では、全学年が対象となる次年度に向け、「調査を通して課題を明らかにし、担当課と解決の方策などを協議したい」とし、「全国公立学校事務長会と連携して、生徒・保護者のために意義ある活動にしていく」との方針を示した。

 人材育成については、二十七年度当初人事で、事務主任未配置校が十七校増の七十九校となったことを示し、「ますます将来事務長になるものが減少していく。引き続き、人材育成の取組に協力を」と呼びかけた。

 このあと、来賓として、道教委の千葉俊文教育職員局長、道高校長協会の富田敏明会長、道特別支援学校長会の佐藤靖典専門部長、日本教育会道支部の諏江康夫支部長が祝辞を述べた。

 うち、千葉教育職員局長は「国において様々な教育改革が進められており、それに伴い各地域・学校でも従来の取組を一層充実させるとともに、新しい時代にふさわしい学校運営、魅力ある教育活動が求められる」と指摘。財務会計を担当し、子どもたちの学びの環境を支える事務職員の役割の重要性を強調した。

 特に、事務長には、行政分野の専門性を有する管理職として、教育全般にわたる幅広い知識、組織運営能力を身に付け、学校運営上のあらゆることに精力的にかかわるよう求めた。

 近年の課題である事務長のなり手不足傾向についてもふれ、事務職員の意識付け、職務換え職員のスキル向上、私費会計を含む財務会計のリスクマネジメントの意識の高揚を図り、信頼される学校づくり、高い専門性を有する事務室づくりを進めるよう期待した。

 このあと、「職場環境と人材育成について~民間企業の取組」と題して、一般社団法人日本産業カウンセラー協会理事の桑原富美恵氏が講演。急激な業務量の変化、働く意欲の変化における問題点を挙げながら、働きやすい職場づくりに向けたメンタルヘルス対策などを紹介した。

 次いで、全国活動報告や道教委による所管事項説明が行われた。

 二日目の研究協議では、札幌市立北翔養護学校の後藤邦昭事務長が「明日からできるゴミ減量プロジェクト」、倶知安農業高校の木田直義事務長が「教職員が教育関係団体の業務に従事する場合の服務上の取扱について」と題して研究発表。「学校事務の現状をとらえ、これからの事務長(室)の役割を考える」をテーマとしたパネルディスカッションなども行った。

(関係団体 2015-09-14付)

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