道特協と札特協が合同研修会 保護者へ共感的に応じ 特セン・木村所長が講演
(関係団体 2015-09-15付)

道特協札特協合同研修会
道特協・札特協が合同研修会

 道特別支援学級設置学校長協会(=道特協、髙村誠会長)と札幌市特別支援学級設置学校長協会(=札特協、森雅彦会長)は八月下旬、道立特別支援教育センターで二十七年度合同研修会を開催した。全道各地から会員五十二人が参加。同センターの木村宣孝所長=写真=が「児童生徒の“社会参加・貢献”の意欲と態度を育てる教育と教職員の資質・能力の向上」と題して講演。中で、障がいのある子どもを抱えた保護者の心情の変化について解説。保護者が子どもの障がいを知り、「怒り」をぶつけてきたときは、「共感的に応じ、話を聞くことが大切」と呼びかけた。

開会に当たり、道特協の髙村会長があいさつ。「来年四月から、いわゆる障害者差別解消法が施行され、学校においても、合理的配慮の提供が義務付けられることになる」と述べ、研修の必要性を強調。「毎年、道特協・札特協では、合同研修会を開催しており、重要な研鑚の場となっている。大いに学ばせていただきたい」と期待を寄せた。

 研修に移り、木村所長が「児童生徒の“社会参加・貢献”の意欲と態度を育てる教育と教職員の資質・能力の向上」と題して講演。

 特別支援教育の基本的な学習論として、「文脈学習理論」について説明。生徒の「なぜこれを学ばなければならないの?」の問いに対して、「将来のいつか役に立つからやってごらん」との答えでは、多くの生徒は満足、納得しない。生徒が何かを学習するかに当たって、学ぶことの方法(How)を知ると同時に、学ぶことの意味(Why)を知ることが重要。内容(Content)を学習する際には、文脈(Contextual)が伴わなければならない、などと解説した。

 学びのスキルとして、分からないことは「訊く」、困ったら「相談する」、できないことは「手伝ってもらう」と例示。これを成立させるため、「置かれた状況や人間関係に応じた適切なコミュニケーションスキルが必要。分からないときは“誰に”“どのタイミングで”“どのように訊いたらよいか”を学ぶ必要がある」と説いた。

また、障がいのある子どもを抱えた保護者の心情の変化を、障がいがあると告知されたときのプロセスとして、①ショック②否認③悲しみと怒り④適応⑤再起―の流れを図で示しながら解説。保護者が「怒り」をぶつけてきたときは、論理的に対応しようとしても無理なことが多く、保護者の人格を理解し、気持ちを受け止めることに全力を傾けるよう求めた。「この人は信頼できる人だ」「この人だったら何とかしてくれるかもしれない」という信頼が生まれれば、やっと、そこで、「再起」への手がかりをみつけたことになる、などと見解を示した。

 最後にあらためて、「保護者がどういう心理状況にあるのか、推察して、それに共感的に応じる。そうしたら、きっといい方向に展開していく」と呼びかけた。

 このあと、同センターの上村喜明教育課長が「研修の意義と視点~道立特別支援教育センターの研修から」をテーマに講演。研修の目的、目標、目標達成に向けた学びの姿勢、同センターの研修講座などについて説明した。

(関係団体 2015-09-15付)

その他の記事( 関係団体)

豊かな学びのある授業を―道教組の当面闘争方針

 道教組は、十二日に札幌市内で開いた第二十八回中央委員会で、当面闘争方針を決めた。方針のうち、運動の具体的進め方には、「学習指導要領のもつ矛盾について、子どもの実態をもとに学習を進め、形式的...

(2015-09-17)  全て読む

道教組中央委 子どもが安心して学べる学校実現を―特別決議を採択

 道教組第二十八回中央委員会では、特別決議を採択した。  特別決議では、「私たちは〝教え子を再び戦場に送らない〟の思いで〝戦争法案反対!〟の取組を全道各地で進めてきた。平和への思いを確かめ...

(2015-09-16)  全て読む

道教組中央委 実践交流し確信へつなげ 川村執行委員長があいさつ

 道教組第二十八回中央委員会での川村安浩執行委員長のあいさつ概要はつぎのとおり。  国会では、安保法案の参議院での審議が山場を迎えている。来週以降、与党は国民大多数の反対を押し切り、立...

(2015-09-16)  全て読む

道教組第28回中央委員会 憲法に立脚した学校を 後半期の闘争方針決定

道教組第28回中央委  道教組(川村安浩執行委員長)は十二日、札幌市内の北海道労働センターで第二十八回中央委員会を開き、当面闘争方針を決めた=写真=。方針には、本年度後半期の重点課題として、「憲法・子どもの権利条...

(2015-09-16)  全て読む

清水ブロック幼保・小連携推進会議 円滑な引き継ぎに向けて 御影ブロックと合同研修会

清水幼保小連携推進会議  【帯広発】清水ブロック幼保・小連携推進会議(山下勇会長)は四日、清水町立清水幼稚園で、御影ブロックとの合同研修会を開催した。町内の幼稚園、保育所、小学校の教職員や管理職、教育委員会など、約...

(2015-09-16)  全て読む

道公立学校事務長会が研究協議会 精力的な学校運営参画を 講演や研究発表などで研鑚

事務長会研究協議会  道公立学校事務長会(永井進会長)は十・十一日の二日間、ホテルライフォート札幌で第三十四回道公立学校事務長研究協議会を開催した=写真=。約二百三十人が参加。主題「教育改革と事務長の役割」のも...

(2015-09-14)  全て読む

北海道の教育を考える会~釧路市の集い 特別支援教育の理解深めて実践を 道教委・荒木教育指導監が講演

北海道の教育を考える会釧路市  【釧路発】道教育振興会(紺野忠一郎会長)、道教育振興会釧路市支部(白幡博会長)、道教育振興会釧路支部(中嶋嘉昭会長)は八月二十九日、釧路センチュリーキャッスルホテルで「第三十一回北海道の教...

(2015-09-14)  全て読む

道高校長協会普通部会調査研究 自立・共生の力など育成 グローバル化に対応した人材を

 道高校長協会普通部会調査研究委員会(小島昌夫主査)は、調査研究「北海道の未来を担う人を育む普通科教育の創造~グローバル社会に対応する普通科教育の在り方」の最終報告を取りまとめた。グローバル...

(2015-09-11)  全て読む

道研連が研究発表大会渡島大会開く 実践的指導力の向上へ 国研・大杉教育研究部長が記念講演

道研連渡島大会  【函館発】北海道教育研究所連盟(委員長・西崎毅道立教育研究所長)は三日から二日間、ロワジールホテル函館で第七十回道教育研究所連盟研究発表大会渡島大会兼第五十七回全国教育研究所連盟北海道地区...

(2015-09-11)  全て読む

道書道教育連盟が第68回研究大会 実生活に役立つ指導を

道書道教育連盟研究大会  【旭川発】道書道教育連盟(青木英昭会長)は三日から二日間、第六十八回道書写書道教育研究大会上川・旭川大会を開催した=写真=。研究主題は、「自ら実生活に役立てる確かな書写力、豊かな表現力を育...

(2015-09-11)  全て読む