道小26年度退職校長の動向アンケート調査結果 84・9%が再就職・任用 年金支給までの生活基盤に不安(関係団体 2015-09-18付)
道内の公立小学校を前年度末で退職した校長の六八・四%が「再就職」、一六・五%が「再任用」として勤務していることが、道小学校長会(松井光一会長)が行ったアンケート調査で明らかになった。再任用に比べ複数年勤務できる再就職の割合が高い傾向が続いており、今回調査は、前回に比べ一五・一ポイント上昇し、過去最高の割合となった。再就職は勤務時間の増加、給与水準の上昇傾向が特徴で、一週当たり勤務時間は「三十六時間以上」が前回から一〇ポイント増の三五・〇%となった。退職時の不安解消に必要なことでは、「年金支給までの健康保険の延長」「再就職に関する情報提供」などが挙がった。
アンケートは、道内の公立小学校を前年度末で退職した校長百六十九人を対象に、ことし五月、調査票を郵送し実施。百三十三人から回答を得た(回収率七八・七%)。
退職前の希望は、「再就職」が五一・一%(前回四六・七%)と、「再任用」の二六・三%(同二五・四%)を大きく上回り、「再任用や再就職は考えていなかった」校長は二二・六%(同二七・一%)だった。
一方、退職後の状況では、「再就職」が六八・四%(同五三・三%)と過去最高の割合となり、「再任用」として勤務している校長は一六・五%(同二一・三%)、「再任用や再就職は考えていない」は一五・一%(同一八・九%)、求職中はゼロだった。
再任用・再就職を希望しない理由をみると、「生活に窮することがないから」が四〇・〇%と最多で、前回より二六・一ポイント増えた。「精神的・肉体的に疲労し、勤労意欲が湧かなかったから」は二五・〇%(同一九・四%)、「趣味やレジャーを満喫したいから」も二五・〇%(同三八・〇%)で、新たに「介護の必要な近親者がいるから」が五・〇%いた。
再任用の勤務の内容は、「TTや特別支援員」が前回より三七・七ポイント増の八〇・〇%に上昇。「退職者人材活用事業による任用」は五・〇%(同三・八%)、「初任者指導時間講師」も五・〇%(同二三・一%)となった。
再就職の勤務先は、「教育委員会関係」が三六・二%(同四六・二%)、「社会教育関連施設」が二五・〇%(同一二・三%)、「幼稚園・保育所」が一二・五%(同一五・四%)など。週勤務時間数は、「三十時間以内」が四二・五%(同五〇・〇%)と最多だが、「三十六時間以上」は前回より一〇ポイント増の三五・〇%に上がった。「三十時間より多く三十六時間以内」は一五・〇%(同一四・一%)だった。
再就職一ヵ月当たりの給与は、「十五万円以内」が二九・〇%(同三五・四%)、「十五万円より多く二十万円以内」が三八・八%(同四一・五%)、「二十万円より多く二十五万円以内」が一三・三%(同四・六%)、「二十五万円以上」が七・五%(同六・二%)であり、四項目合計で八八・六%を占めた。
退職後の満足度について、再任用と再就職を合わせて五二・〇%(同五三・四%)が「普通」、四三・〇%(同四二・〇%)が「満足」、五・〇%(同四・六%)が「不満」と回答。
退職時の不安解消に必要なこととして、「年金支給までの健康保険の延長」が二五・五%(同二六・九%)で最も多く、以下、「再就職に関する情報提供」が一九・〇%(同一五・〇%)、「定年延長制度」が一六・九%(同一七・一%)、「年金や生活相談機関の充実」が一五・三%(同一四・九%)、「再任用制度の確立」が一三・七%(同一五・〇%)と続いた。
道小では「年金支給までどのように生活基盤を立てていくのかなど、不安のある中、複数年勤務できる道を選ばざるを得ない傾向にあるのでは」と分析。「今後、校長再任用制度、定年延長などの要望が高まっていく中、学校経営者としての重責や教頭の校長採用との兼ね合いが課題となってくるのではないか」とみている。
(関係団体 2015-09-18付)
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