道教委専門高校Progressiveプロジェクト 特色生かした研修推進へ 全道連絡協開き8校が報告
(道・道教委 2015-10-28付)

プログレッシブ協議会
道教委専門高校Progressiveプロジェクト協議会

 道教委は二十六日、道庁別館で専門高校Progressiveプロジェクト推進事業全道連絡協議会を開催した=写真=。事業の趣旨について共通理解を図るとともに、研究指定校八校が研究計画を報告。企業等と連携した特産物の商品開発や観光案内による語学実践力の育成、誰もがパソコン操作できるアプリケーション開発など各校の特色を生かした研究を進めていく。

 産業構造の変化や科学技術の進歩に対応し、次代の地域産業を担う専門的職業人を育てるため、専門高校等において高度な知識・技能の習得に関する取組のほか、地域の産業特性やニーズに対応する取組など先進的な実践研究を進め、本道の職業教育の充実を図る事業。研究実践校として、美唄尚栄など八校を指定し、本年度から三年間で研究を進める。

 今回は、事業の円滑な推進を図るため、研究指定校や教育局職員に対し、事業の趣旨や取組内容、留意事項などについて説明するとともに、研究を実施する上での課題について話し合う全道連絡協議会を開いた。

 冒頭、赤間幸人高校教育課長があいさつ。日本の少子高齢化と生産年齢人口の減少、産業構造・労働力市場の変化など大きな課題に直面していることを指摘し、「本道が持続的に発展し、地方創生を実現していくためには、将来を担う心身ともに健やかな人材の育成が不可欠。生徒がふるさと北海道に誇りをもち、生徒にその未来を支えていける力を培うことが重要」と説明した。

 特に、職業学科を設置する高校では、地域産業界との連携を密にした組織的、実践的な教育活動が求められていることを話し、「本事業では、高度な知識・技能の習得に関する取組や、地域の産業特性やニーズに対応する取組など、先進的な実践研究を進める」と述べ、他校のモデルとなるよう成果の普及を呼びかけた。

 このあと、塙浩伸高校教育課主幹が事業の概要や留意事項を説明した。

 研究指定校では、①先進的な実践研究②職業能力に関する調査―を実施。①では、特色あるカリキュラム、技術開発の推進、高度な知識・技能の習得、地域の産業特性やニーズに対応する取組、職業教育の充実について研究する。②では、卒業生にアンケート調査を行い、学んだ専門的知識・技能と実社会との関連性を検証する。

 塙主幹は「成果を客観的に表すため、生徒の変化や先生の意識など数値目標を立ててもらう」「各校のホームページで事業の取組を積極的に発信するとともに、年度末までには中学生などを対象に成果発表会を開いていただきたい」と求めた。

 次いで、各指定校が実施計画を発表。美唄尚栄では、美唄市内の農業関係者や商工会議所などと連携し、規格外農産物を活用した商品開発に向けた加工技術や製法について研究。開発を通して、食品加工や流通・販売に総合的に対応できる知識・技能の習得を目指す。

 札幌東商業では、中国語や韓国語を学ぶ国際経済科の生徒が、外国人観光客が訪れる施設で職業体験を行うなど観光関連産業で活躍するグローバル・リーダーを育てる。

 北海道新幹線開業を記念した商品開発を行う大野農業では、チーズづくりなど観光客を対象とした体験講座も計画。高齢者や幼児など誰もがパソコン操作できるアプリケーションを開発する函館工業では、手の動きを検知するモーションセンサーなどを取り入れ、公立はこだて未来大、道情報専門学校と連携していく。

 函館水産では、海洋技術科が北大水産学部とチョウザメを研究していると報告し、今後、企業と連携した特産品を開発していくことを発表。旭川農業では、化学肥料や農薬を使わないオーガニックフラワーを生産するため、良質腐葉土、ササ堆肥を活用した「旭農ガーデン」を制作する。

 紋別では、ホタテ貝殻のリサイクルのための脱塩、粉砕など処理工程について研究。釧路商業では、釧路の観光資源を紹介する携帯情報端末のコンテンツをつくり、ビジネスプランを考案するなど地域をPRできる人材を育てる。

 発表後には研究推進上の課題などについて協議を行った。

(道・道教委 2015-10-28付)

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