道研が社会科教育研修講座開催 問題解決的な学習充実を 国研・澤井調査官が基調講義(道・道教委 2015-11-11付)
道研が社会科教育研修講座
道立教育研究所は十月二十八日から三日間、同所で社会科教育研修講座を開催した。講座は、道小・中学校教育課程改善協議会社会部会を兼ねて実施。小・中学校、特別支援学校の教諭約百人が参加。初日、国立教育政策研究所教育課程調査官の澤井陽介氏が「今、求められる社会科教育の在り方」をテーマに基調講義=写真=。社会科の学び方について、「子どもが学習問題をつかみ、解決の見通しをもって深く考え学び合い、追究結果を振り返るというプロセスを、問題解決的な学習の中で実践していく」ことと説明、その実現に向けた教師の役割について助言した。
同研修講座は、社会的な見方や考え方を養う指導計画や授業を構築するため、各学校や地域において、社会科教育の改善・充実に資する指導力の向上を図ることを目的に三日間日程で開催。初日と二日目の三コマまでは、道小・中学校教育課程改善協議会社会部会を兼ねて実施。小・中学校、特別支援学校の教諭約百人が参加した。
初日、国研の澤井調査官が「今、求められる社会科教育の在り方」をテーマに基調講義。はじめに、学習指導要領の改訂に向けた動きについて解説した。アクティブ・ラーニングについては、「問題発見・解決を念頭に置いた深い学びの過程」「協働や外界の情報との相互作用を通じて、自らの考えを広げ、深める対外的な学びの過程」「見通しをもって強く取り組み、自らの学習活動を振り返ってつぎにつなげる主体的な学びの過程」―の三つの視点を示し、「子どもの学びのプロセスがきちんと確保されているか検証する」よう求めた。
社会科については、「社会生活の理解」と「社会的事象についての考察や判断」を学ぶことによって、確かな社会認識と公正な判断力が育まれると指摘。その学び方について、「子どもが学習問題をつかみ、解決の見通しをもって深く考え学び合い、追究結果を振り返るというプロセスを、問題解決的な学習の中で実践していく」ことと定義した。
学習問題は、「なぜ」「どのような」など、疑問形として子どもに提示し、学習計画は、「何を調べるか(調べる事柄)」「どのように調べるか(調べる方法)」「どのような順で調べるか(調べる順序)」「どのようにまとめるか(まとめる方法・内容)」について考えることと説明した。
その上で、問題解決を見通して、事実・根拠に基づいて理由付けを行うなど、深く考える場を設定。様々な情報を比較したり、関連付けたりして、社会的事象の特徴、働きなどを多面的にとらえ、多様に表現することが、思考力・判断力・表現力の質の向上につながるとした。
また、学習評価技術の向上に向け、子どもの表現を評価するポイントとして、①子どもの表現を想定②指導したことを評価③「思考・判断・表現」は「思考→理解」「理解→思考」の過程に着目④関心・意欲・態度は多様な見方や考え方ができる学習場面に着目すること―を挙げた。
このあと、講義・演習を通じ、教育課程の適切な編成・実施や、北海道や自校の課題を明確にし、社会科における授業改善の視点などについて理解を深めた。
二日目は、ICT機器の活用について、実物投影機や電子黒板などのデモンストレーション・操作体験を行ったほか、講義・演習を通して、指導計画の在り方や授業づくりの工夫・改善方策について学んだ。
三日目は、グループごとに作成した学習指導案を発表し、ワークショップを取り入れた協議を実施。最後に、同講座の成果の普及に向けた方策について検討、交流した。
(道・道教委 2015-11-11付)
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