実践的指導力向上図る　道研が地歴・公民科研修講座開く

（道・道教委 2015-11-12付）

道研　地理・公民科研修講座

　道立教育研究所は十月下旬の三日間、附属情報処理教育センターで地理歴史科・公民科教育研修講座を開催した。高校の教諭八人が参加。初日、国立教育政策研究所教育課程調査官の樋口雅夫氏が「今、求められる地理歴史科・公民科教育の在り方」をテーマに基調講義した＝写真＝。地理歴史科・公民科の話し合い活動の在り方について、「何のために話し合わせるのか、目的を明確にすることが大切」などと述べ、教科の特性を生かした授業の進め方などについて助言した。

　思考力・判断力・表現力等の育成を図るため、指導計画や授業について理解するとともに、実践的指導力の向上を図ることを目的に三日間日程で開催。高校の教諭八人が参加した。

　初日は、国研の樋口調査官が「今、求められる地理歴史科・公民科教育の在り方」をテーマに基調講義。地理歴史科・公民科教育の現状と課題、指導と評価の一体化、思考力・判断力・表現力等の育成を図る授業などについて説明、解説した。

　地理歴史科・公民科の特性について、「内容教科である」とし、話し合い活動は「何のために話し合わせるのか、目的を明確にすることが大切」と強調。「様々な意見が出て、一つの結論に至らなかったとしても、どのように整理整頓していくか、これこそが地理歴史科・公民科である」と述べた。

　現行学習指導要領のねらいについて、中央教育審議会答申「社会、地理歴史、公民における改善の基本方針」で示された、①社会的な見方や考え方の成長②基礎的・基本的な知識、概念や技能を確実に習得させ、それらを活用する力や課題を探究する力の育成③公共的な事柄に自ら参画していく資質や能力の育成―の三点を取り上げ、言語活動や社会参画などの充実をポイントに挙げた。

　指導と評価の一体化については、「評価場面を絞って評価」「指導した場面で評価」「結果だけでなく過程も評価」―の三点を示し、「評価の場面を特定する」ことを求めた。

　二日目は、ＩＣＴ機器の活用について、実物投影機や電子黒板などのデモンストレーション・操作体験を行ったほか、札幌啓成高校の授業を参観。

　三日目は、思考力・判断力・表現力等を育む授業づくりに向け、講義や模擬授業など演習を実施。最後に、三日間の研修を振り返り、成果の活用・普及に向け交流した。

(道・道教委 2015-11-12付)