道教委体力向上先導的総合実践事業 本年度せたななど14地域 スポーツ教室開催や研修なども
(道・道教委 2015-11-12付)

 道教委は、本年度「体力向上先導的総合実践事業」について、せたな町など新規三地域を含めた十四地域で研究を進めていく。指定地域内における小・中学生の体力向上にかかる課題を踏まえて、「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」(新体力テスト)の上位県で実施する取組を参考に体力向上に向けた計画を策定するほか、民間のインストラクターを講師とするスポーツ教室の開催、社会教育プログラムの改善・充実を行う。有識者アドバイザーを派遣し、学校関係者を対象とした研修などを充実させる。小・中学校では新体力テストの全学年複数回実施と結果を踏まえた運動プログラムを展開。家庭や地域と連携して運動習慣の定着を図る。

 道教委では、本道の児童生徒の体力・運動能力が全国平均を下回るとともに、週一日以上運動する児童生徒の割合が全国と比較して低いなど、体力向上や運動習慣の改善が喫緊の課題と認識。各学校や市町村教委が一体となって新体力テスト結果の上位県で実施している体力向上の取組を総合的に推進するため、二十六年度から各管内一市町村ずつを地域指定し、体力向上先導的総合実践事業を進めている。

 本年度は新たに、せたな町、利尻町、中札内村を指定した。指定地域の市町村教委は、児童生徒の体力等における課題を踏まえて、新体力テスト結果の上位県で実施している取組を参考に、体力向上に向けた計画を策定。事業の実施状況や、成果の定期的な交流、検証を図る機会を設定するなど、域内の小・中学校における取組の共通理解、普及・啓発を図る。

 また、体操教室や陸上の指導者など民間のインストラクターを講師に招き、児童生徒の運動に対する苦手意識を解消することを目的とした親子対象のスポーツ教室を開催。社会教育プログラムの改善・充実を進め、児童生徒の休日における運動時間を確保するとともに、運動やスポーツに親しむ態度を育むことができるよう、域内の児童生徒が参加できる運動やスポーツに関するイベントを開く。

 また、有識者アドバイザーを派遣し、学校関係者を対象とした研修、指導・助言を行う。

 指定地域内の全小・中学校では、地域や児童生徒の課題を踏まえ、学校全体で体力向上に取り組む。新体力テストを全学年で各学期一回程度実施し、児童生徒の体力の状況を把握するとともに、体力向上の取組を検証。新体力テストの結果を踏まえて、教育活動全体で効果的な運動プログラムを実施する。少年団や運動部に所属していない児童生徒を対象に、手軽に楽しめる運動やスポーツを行う機会を定期的に設定し、運動習慣を定着させる。

 地域・家庭との連携においては、新体力テスト等の結果を活用して、家庭学習やテレビ・ゲームの時間の目安設定、生活リズムチェックシート・運動時間の目安資料の活用、土日や長期休業中の運動確保、部活動の改善・充実などを目指す。

 道教委が作成した『体力手帳』を配布し、児童生徒が新体力テストの結果や運動時間などを体力手帳に記録。自らの体力の状況を把握するとともに、保護者に情報提供することで家庭における運動習慣を改善する。

 市町村が実施するスポーツ教室や社会教育プログラムとも連携し、積極的な参加を促すほか、自校の児童生徒の体力等の情報を発信する。

 さらに、体力向上にかかる検証改善サイクルを確立するため、①新体力テスト等の結果を踏まえた児童生徒の体力や運動習慣等の状況の把握②児童生徒の体力等の状況を踏まえた数値目標の設定③数値目標を位置付けた体力向上の全体計画の策定④全体計画に基づいた学校全体での取組の推進⑤児童生徒の体力等の状況の変容に基づく取組の検証・改善―を進める。

 本年度の指定地域はつぎのとおり。

▽歌志内市▽江別市▽倶知安町▽苫小牧市▽新冠町

▽知内町▽せたな町(新規)▽美瑛町▽留萌市▽利尻町(新規)

▽大空町▽中札内村(新規)▽厚岸町▽標津町

(道・道教委 2015-11-12付)

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