鹿追町瓜幕小が体験授業実施　アイヌ民族の歴史知って　道教委「ふるさと教育等推進協力校」

（学校 2015-11-12付）

鹿追町瓜幕小アイヌ民族・文化体験授業

　【帯広発】道教委「ふるさと教育・観光教育等推進事業」の協力校に指定されている鹿追町立瓜幕小学校（小澤浩幸校長）は十月二十九日、同校でアイヌ民族・文化体験授業を実施した。全校児童三十二人が参加。児童たちは、アイヌ民族の歴史・文化についての講話やシカ笛づくりを通して、アイヌ民族と自分たちの生活とのつながりについて理解を深めていた。

　同事業は、道徳、総合的な学習の時間、特別活動等において、「アイヌの人たちの歴史・文化等」「北方領土」の学習を取り上げたり、本道の自然や文化、観光産業等の教育資源を活用したりすることで、ふるさと北海道への理解を深め、郷土に対する愛着や誇りを育むもの。

　各管内の小学校および中学校から「アイヌの人たちの歴史・文化等」「北方領土」「観光」の学習テーマのうち、異なる学習テーマで小中一校計二校程度を指定。学習テーマ「アイヌの人たちの歴史・文化」のうち、管内では、実践校に帯広市立北栄小学校、協力校に瓜幕小が指定された。

　この日は全校児童三十二人が参加。帯広百年記念館の長谷仁美学芸調査員と大熊勳学芸調査員が来校し、「アイヌ民族・文化体験授業」と題して出前授業を行った。

　本時では、アイヌ民族の歴史や文化だけではなく、本道や十勝についての歴史や文化に対する理解を深め、郷土に対する愛着や誇りを育てるとともに、自分たちの生活とのつながりや地域の歴史等について、課題意識をもたせることがねらい。

　はじめに、大熊調査員がエゾシカの生態について説明したあと、アイヌの人たちが日常的に使用していた「シカ笛」の製作体験を実施した。児童たちは、初めての体験に戸惑いながらも夢中になって取り組んだ＝写真＝。

　このあと、長谷調査員が〇×クイズ形式でアイヌの文化や歴史について解説。児童たちは、アイヌ民族の生活やアイヌ語などについて学習し、アイヌ民族と自分たちの生活とのつながりについて考えを深めた。

　渡辺弘司教頭は「児童たちはこれまで、外国語活動を中心に異言語を学んできた。今回の体験学習などで、様々な文化・言語を知ることによって、グローバルに対応できるようになってほしい」と話している。

(学校 2015-11-12付)