南富良野高が数学と英語教育セミナー 授業改善と学力向上へ 協働的な学びの実践を紹介(学校 2015-11-12付)
南富良野高セミナー―数学授業でアクティブ・ラーニング実践
【旭川発】南富良野高校(野呂俊夫校長)は十月中旬、小規模高校における数学および英語教育の改善・充実に向けてセミナーを同校で開催した。数学教育セミナーには三十一人、英語教育セミナーには十人が参加。アクティブ・ラーニングの実践紹介や両科目における研究授業および専門家の講演を通し、授業改善と学力の向上に向けて研鑚を積んだ。南富良野町教委後援。
◆数学教育セミナー
数学教育セミナーでは、同校数学科担当教員によるアクティブ・ラーニングの実践紹介および研究授業のほか、上川教育局高校教育指導班の黄田直樹指導主事による講演を行った。全道から集まった参加者三十一人は、今後の数学教育の在り方について考えを深めた。
はじめに、数学科の木下雅禎教諭と野呂康博教諭が、本年度から同校で推進しているアクティブ・ラーニングに関する習得型・活用型・探究型の授業展開について紹介した。
そのあと、木下教諭が一年生の数学Ⅰで習得型の研究授業を実施。黒板を使用せずに、ICTを活用しプロジェクターで本時の目標や二次関数の習得すべきポイントを説明した。
生徒はワークシートをもとに、グループで課題解決に向けて学習し、グループの代表が発表。まとめとしてリフレクション・シートをもとに振り返りを行った。
つぎに、野呂教諭が三年生の数学Bでベクトル成分による演算方法について活用型の公開授業を行った。「ベクトルグランプリ」と題して、ベクトルを用いてコースを一周する課題をグループで学習。まとめに、タブレットを用いて生徒に回答を発表させた。
続いて、黄田指導主事が「最近の数学教育の方法について」をテーマに講演した。生徒が身に付けるべき力、数学科における主体的・協働的な学び、アクティブ・ラーニングについて解説。最後に、富良野高校の嶋岡裕泰校長がセミナー全般に関して助言した。
参加者は、「今後求められるアクティブ・ラーニングの授業展開方法を考える大変有意義な契機となった」と感想を話していた。
◆英語教育セミナー
前年度に引き続き二回目となる英語教育セミナーでは、研究授業のほか、札幌大学の濱田英人教授による講演を実施。参加者は英語科におけるアクティブ・ラーニングについて理解を深め、指導力の向上に努めた。
はじめに、同校英語科の森谷雅子教諭が二年生コミュニケーション英語Ⅰの研究授業を行った。
授業後、濱田教授が「認知言語学と英語教育~メタ認知を取り入れた英語学習の在り方」と題して講演。日本語と英語の言語的な違いを指摘し、客観性が強い英語の特性を生かした指導を工夫するよう求めた。
最後に、助言者として宗谷教育局高校教育指導班の古御堂徹主査が「最新の英語教育の動向」について、生徒の主体的・協働的な学びとのかかわりに焦点を当てて説明した。
参加者は、「これからの英語教育の見通しを理解することができ、今後、どのような授業を行い、どのような生徒を育成しなければならないかを考えるよいきっかけとなった」と感想を述べていた。
(学校 2015-11-12付)
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