札幌市山の手小が教育実践発表会　〝はてな？〟生む授業を　５年国語―ＨＰ作成通した言語活動

（学校 2015-11-19付）

札幌市立山の手小実践発表会

　札幌市立山の手小学校（北本義和校長）は十三日、同校で第十次研究前期教育実践発表会を開催した。研究主題「自ら学びを拓く子の育成」のもと、十九の授業を公開。このうち、五年三組国語「わらぐつの中の神様～杉みき子作品を薦めるホームページをつくろう」（曽我部麻希教諭、児童数二九人）では、マサエがわらぐつへの一言の表し方が異なる点を取りあげることで「はてな？」を生み出し、心情の変化を読むことができるよう学習を展開した＝写真＝。

　「やりたい！」という積極的な意志をもち、その子らしい様々なアプローチで仲間と力を合わせながら追究を続けるような子どもの姿を目指して研究を進めていきたいと考え、研究主題を「自ら学びを拓く子の育成」と設定。二十五年度から六ヵ年計画でことしは三年目となっている。研究の視点として、①子どもから〝はてな？〟が生まれる教材化と単元構成②子どもの考えを焦点化する教師のかかわり―の二点を据えて取組を進めている。

　十九の授業のうち五年三組国語「わらぐつの中の神様～杉みき子作品を薦めるホームページをつくろう」は七時間扱いの三時間目。本時の目標を、「ホームページで人物相関図をつくろうという言語活動を通して、人物相互の関係やつながりをとらえるとともに、わらぐつに対するマサエの心情の変化を読むことができること」と設定した。

　登場人物について確認したあと、人物相関図のページをつくるため、対象への一言を書く根拠となる言葉や文に線を引いた。児童は「会うのが楽しい」「気になっている」「とても丈夫でいいな」などとそれぞれの登場人物との関係を表す文章を発表した。

　曽我部教諭は児童の発表から、マサエがわらぐつに対して、「みっともない」「いいものかも」などと表し方が異なっていることを取り上げ、「マサエがわらぐつに対する見方を変えたのはどうしてかな？」と問いかけた。児童はグループで交流したあと、「どちらの気持ちもある」「おばあちゃんの話を聞いたことで気持ちが変わったのかも」などと全体で考えを発表した。

　児童の考えから曽我部教諭は「わらぐつに心を込めてつくっていたおばあちゃんの話を聞くことでマサエの心情が変化した」とまとめた。　

(学校 2015-11-19付)