道教育大附属函館中が研究大会　アクティブ・ラーニング考察深める授業を　１２０人が８授業や分科会で研鑚

（学校 2015-11-19付）

道教育大附属函館中研究大会

　【函館発】道教育大学附属函館中学校（羽根田秀実校長）は十月下旬の二日間、同校で本年度教育研究大会を開催した。道内外から、約百二十人が参加。公開授業や教科別・コース別分科会などを通じ、同校の研究・実践について理解を深めた。

　同校は、二十五年度から、「今、求められる二十一世紀型の学力の育成を目指して」を研究主題に、アクティブ・ラーニングによる学習に力を注いでいる。三年次目を迎えた本年度は、「アクティブ・ラーニングによる学習への深いアプローチ」を研究副主題に設定。公開授業や教科別・コース別分科会などを通じ、管内教諭の資質・能力向上を図る。

　初日に行われた全体会の冒頭、同校の長谷川美栄子研究部長が、本年度の研究内容を説明。「アクティブ・ラーニングによる学習に深くアプローチすることで、生徒は教科の本質に迫るとともに、二十一世紀型の学力を身に付けられる」との仮説を紹介した。その上で、研究の重点項目として、①「教科の本質」に迫るアクティブ・ラーニングによる学習指導および評価の工夫・改善②「二十一世紀型の学力」を育むアクティブ・ラーニングによる学習指導および評価の工夫・改善③学習への深いアプローチを支える学習活動の工夫―の三点を据えていることを示した。

　公開授業は、八教科で実施。国立教育政策研究所「教育課程指定校事業」の研究指定を受けている社会科では、二年生の地理を担当する伊藤健太郎教諭が「観光産業と地域経済」を題材にワークショップ形式の授業を行った＝写真＝。

　生徒たちは三～四人のグループに分かれ、「北海道新幹線の開通」と「北海道の自然」をテーマに観光プランを作成する課題に取り組んだ。パンフレットや新聞、インターネットからの情報をもとに作成したプランを発表し合い、それぞれ評価した。

　参観した教諭は、「小グループによる協働学習のスタイルで学習課題に取り組み、自己ならびに他者を評価することで、多面的かつ多角的な考察が深まる様子がみられた」と高く評価。「自校の授業でも活用したい」などと意欲を示していた。

　二日目は、「単元をデザインする」「ＩＣＴを活用する」「土曜日に広げる」をテーマに、三つの分科会を行った。うち、ＩＣＴについての分科会では、授業者と参加者が、生徒一人ずつにタブレットを配した授業の実効性について意見を交わした。

(学校 2015-11-19付)