石狩局が第２回道徳教育推進教師研　子の立場に立った育成を　講義や指導例発表などで研鑚

（道・道教委 2015-11-30付）

石狩教育局が道徳教育推進教師研修会

　石狩教育局は十七日、札幌市内の道第二水産ビルで二十七年度第二回道徳教育推進教師研修会を開催した＝写真＝。管内小・中・特別支援学校等から道徳教育のリーダーとなる道徳教育推進教師約百二十人が参加。各学校からの道徳の指導に伴う発表や、岐阜大学大学院教育学研究科の柳沼良太准教授の講義を通して、研鑚を積んだ。

　学校の教育活動全体を通じて取り組む道徳教育の在り方や道徳教育推進教師の役割、道徳科の充実等にかかわる説明・協議等を行い、道徳教育推進教師としての資質能力の向上を図ることが目的。

　冒頭、あいさつに立った新山知邦教育支援課長は「前回の研修で研修内容充実に向けた前向きな意見をたくさんいただいた」と前置きした上で、「新たな学習指導要領が実施される三十年度に向け、道徳教育の充実に向けた機運がそれぞれの学校で一層高まるようお願いする」と研修の成果に期待を寄せた。

　研修に移り、石狩教育局の鈴木毅指導主事が「前回の研修を受けて、さらに一歩前に進むため、道徳教育の共有化を図ること。また、年度末までに取り組むことを焦点化していく。その核となるのが道徳教育推進教師」と研修の意義を説明した。

　発表・協議では、恵庭市立若草小学校の橋本好史教諭が「道徳科の指導方法の工夫と改善」、江別市立江別第三中学校の宇野千香子教諭が「道徳教育推進教師を中心とした指導体制の改善・充実」と題し、それぞれの実践に基づき発表した。

　最後に、中央教育審議会道徳教育専門部会の委員を務めた柳沼准教授が「道徳科の指導方法の工夫改善～問題解決的な学習を中心として」と題して講義した。

　柳沼准教授は、道徳の教科化の流れや道徳教育の目標として「“道徳性”の育成」を提示。問題解決する資質・能力としての道徳性を挙げ、「生きる力」「知識基盤社会時代に特定の文脈で複雑な課題に対応できるキー・コンピテンシー」「二十一世紀型能力」―の三点をキーワードとしながら、子どもの立場に立った道徳性の育成の重要さを訴えた。

　また、問題解決的な学習の授業展開として、板書やノートの工夫とともに、評価の観点、方法などについても分かりやすく説明した。

(道・道教委 2015-11-30付)