道教委体育授業改善サポートチーム会議 日常的に運動する環境を 雪や氷活用した取組など提案(道・道教委 2015-11-30付)
体育授業改善テクニカルサポートチーム会議
道教委は二十六日、札幌市内のかでる2・7で二十七年度第二回道体育授業改善テクニカルサポートチーム会議を開いた=写真=。本年度新規事業「体育授業改善テクニカルサポート事業」の一環。テクニカルサポーターからは、「体育授業以外の活動にも着目し、子どもたちが体を動かす機会をつくる」必要性が挙げられ、日常的に運動する環境づくりについて意見交換。その取組のモデル化や、本道ならではの雪や氷を活用した取組を進めるとの意見、運動が脳を活性化させ学力向上にもつながるとの指摘などがあった。
同事業は、子どもの体力向上パワーアップ事業の一つとして、科学的なデータや知見等に基づき、体力向上のための授業改善や、授業以外での取組の充実を図る実践研究を進め、全道に普及するため、本年度から二ヵ年計画で実施。美唄市立茶志内小学校など五校を実践研究協力校に指定し、大学教授等で構成するサポートチームを派遣して研究に取り組んでいる。
第二回会議には、テクニカルサポーター四人が出席し、各地域における取組状況や今後の取組などについて協議した。
サポーターの一人は、子どもたちの現状について、「活動量が多い子どもと少ない子どもの二極化が大きな問題。活動量の少なさは、特に、高学年の女子に顕著にみられる」と指摘。「体を動かさないだけではなく、他者とのコミュニケーションも少ない。コミュニケーションを増やすことが取っかかりになるのではないか」と述べた。
教師についても、「体育の指導に困っている教師と得意な教師の二極化がある。その解消が課題」との意見があった。
体育授業の在り方については、「活動量確保のために、テキパキと進めるのはいいが、規律訓練に陥らないように注意する」「子どもたちが追いまくられて疲れないようにしなければ」などの留意点が挙がった。
「体育授業の改善ももちろん必要だが、授業以外の活動にも着目し、子どもたちが体を動かす機会をどうつくるのか工夫したい」という声があり、授業以外での取組について意見交換した。
日常的に運動する環境づくりの重要性が挙げられ、「教師は、子どもたちがこういう運動をするだろうと予測し、そのための場づくりを行うことが重要。それをモデル化して、提供してはどうか」「子どもたちが自ら体を動かす雰囲気づくり、遊びの積極性をつくる場づくりが大切」との意見があった。
そのために、「子どもたちは普段、平面の環境で生活しているが、あえて斜面や凸凹の環境をつくる。そこに無理に行かせるのではなく、子どもが自ら行きたくなるように工夫してつくればどうか」というアイデアが出た。
「体を動かせば、脳が活性化する。活動量が学力と密接に結び付いており、学力を支えていることをきちんと説明できれば、学校全体で取り組めるのではないか」「本道ならではの雪や氷をうまく使って、日常的に体を動かせるプログラムをつくってはどうか」「地域のお年寄りの力を借りるなど、取組を広げて運動を日常化しなければ」などの声もあった。
また、「すべての子どもに運動する機会を保障する。そのことが、体力だけではなく、学力の向上に結び付けばいい」という意見も出た。
(道・道教委 2015-11-30付)
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