第2回道立図書館協議会開く サービス充実へ事業検証 本年度活動状況等報告、協議
(道・道教委 2015-11-26付)

第2回道立図書館協議会
第2回道立図書館協議会

 道立図書館は十七日、同館で二十七年度第二回道立図書館協議会(会長・木村純北海道大学特任教授)を開催した=写真=。協議会委員十一人と同館幹部職員が出席。二十七年度運営計画に掲げる事業の九月末時点の進捗状況や活動状況について報告し、協議を行った。

開会に当たり、林秀樹館長があいさつ。「事業等の検証をしっかりと行い課題を把握することによって、事業運営の改善を図り、着実な成果につなげていきたい」との考えを示し、「より良いサービスが提供できるよう職員一同サービスの向上に努めていきたい」と述べた。

 議事に入り、利用サービス部の伊藤信彦部長が二十七年度運営計画について、目標値を掲げた事業を中心に、九月末時点の実績値、活動状況を報告。

市町村支援では、支援貸出し事業のうち、大量一括貸出しは目標四十市町村に対し、「実績値二十八市町村。今後、新たに二町村への貸出しを予定。さらに利用拡大のため再募集の広報を行う」。目標値に十四地域を掲げた管内図書館振興団体支援における相互協力促進事業は二地域にとどまっているものの、「今後、胆振、空知、上川、宗谷、後志管内での実施を予定。利用促進を図るため、教育局を通じ各市町村教委に通知するとともに、広報に努める」と説明。研修の実施では、ICTを利用した遠隔地研修について、「遠隔地研修用のテスト映像を準備しており、年内に情報提供を開始する予定」であることを明らかにした。

 協力サービスの推進について、協力貸出しは利用市町村数、貸出冊数とも目標値に届いていないが、「ホームページでの展示リストの公開やポータル通信よるPRなどで利用促進・拡大を図る」。また、本年度新たに開始した学校図書館への協力貸出しは、「二十五校が利用登録し、百十七冊貸出し。今後、実施内容を広く周知し、三校程度をモデル校に指定し、事業展開を図る」と説明。

課題解決型サービスの面では、本年度の重点テーマ“地域活性化支援”に関して、「九月末現在で一般資料全体の約一二%に相当する四百四十点の重点資料を収集した」ことを報告した。

 道民向けサービスの分野では、来館型サービスの充実に向け、本年度から直接貸出しの貸出冊数を「一人一回につき五冊以内から十冊以内」に拡大したことによって、「直接貸出冊数は一般資料、北方資料ともに前年同時期に比べ増加」。また、本年度新たに導入した自動貸出機の利用は「九月末時点で八千八百三十九件(月平均約一千四百冊)となっており、引き続き利用促進に努める」と報告した。

 非来館型サービスの向上では、協議会当日、十七日から、「予約貸出冊数を五冊から十冊に拡大」したことを明らかにした。また、インターネット予約貸出しで、本年度受取窓口を開設した道議会図書室は「職員配置によって利用の掘り起こしにつながっている」とし、「利用者が月平均十~二十人、貸出冊数は九月末で二百二十冊。近年実績がなかった協力貸出しも四百二十一冊となった」などと説明した。

 メールレファレンスは新システムに更新したことによって、「九月末で七百十五件と、昨年の二百九十八件から大幅に増加し、レファレンスの申込み全体に占めるメール利用の割合は一〇%から二二・八%となった」と報告した。

 子ども読書活動の推進の分野では、学校ブックフェスティバル事業は目標十五市町村に対し、「九市町村で実施。今後、十一市町村で実施予定」、学校図書館サポートブックス事業は目標二十八市町村に対して、「十市町村で利用があり、今後、十二市町村の利用予定がある」、ブックスタート事業は目標百七十二市町村に対し、「百六十四市町村で実施。今後も情報提供を継続し、利用の増加を図る」などと説明した。

 同館における子ども読書活動の推進では、児童コーナーの整備で、「各種の受賞作など約二百七十冊を収集」したことや、子ども向け利用講座として、「冬休み期間中(二十八年一月五~十七日予定)に、小学生を対象とした“図書館★スタンプラリー”を実施する」ことなどを報告した。

このあと、質疑応答を行った。委員から「これだけ蔵書しているのに開架スペースが狭い」との意見に対し、林館長は厳しい道財政にふれながら、「職員と知恵を絞って開架スペースを有効に活用できる方策について検討していく」との考えを示した。

(道・道教委 2015-11-26付)

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