文科省スーパー食育スクール事業　食を通じ学力・体力向上　東神楽小が公開研究会開催

（学校 2015-12-03付）

東神楽小スーパー食育スクール事業公開研

　【旭川発】文部科学省のスーパー食育スクール事業指定校の東神楽町立東神楽小学校（本田修校長）は十一月二十六日、食に関する公開研究会を開催した。食育を通じて学力・体力・運動能力の向上、望ましい生活習慣の定着を研究している同校で、白形美砂子教諭と澁谷一姫栄養教諭が、三年学活「感謝して食べよう」（児童数三四人）を指導。食事のあいさつの意味を考えることで食生活を見直し、改善に向けた今後の目標を立てる授業を行った＝写真＝。

　同事業は、学校が大学や企業等と連携し、学力向上、健康増進など食育の多角的効果について検証。成果を普及啓発し食育の充実を図ることをねらいとしている。同校は二十六年度にモデル校の指定を受けた。

　研究主題は「食の学び舎パワーアップ！生涯にわたって〝食〟〝人〟を大切にする子どもを目指して」。

　望ましい食習慣の定着化を図る食育と学力・体力・運動能力の向上との関連性を研究している。昨年には、中学年向けの食育教科書『東神楽の食育』を作成。教科書をもとに、家庭と連携しながら、栄養教諭と学級担任のＴＴによる食育授業を進めている。

　また、名寄市立大学や、健康に関する製品を販売・開発している㈱タニタと連携し調査研究を推進。児童一人ひとりに応じた栄養管理と給食指導の充実に向け、児童の体組成や活動量、給食の残食量を計測している。

　公開授業において、食事の時のあいさつの意味を理解し、これからの食生活について自分の目標を立て、実践していくことを本時のねらいに設定した。

　はじめに、白形教諭は児童に食事のときにしているあいさつについて問いかけた。重ねて、「なぜ、食事のときにあいさつするのだろう」と課題提起。児童は「いただきます」に込められた意味について考えた。

　続いて、澁谷栄養教諭が給食の食材や関係者のイラストが書かれたカードを提示。白形教諭が児童を指名してグループ分けをさせた。その上で、同校の給食調理室の様子を映像で紹介。澁谷栄養教諭は生産者や調理する人など多くの人がかかわって、給食ができていることを伝えた。

　つぎに、教科書で「いただきます」「ごちそうさま」の意味を確認。澁谷栄養教諭は「食事の時のあいさつには、食べ物や育ててくれた人、調理してくれた人たちへの感謝の意味が込められている」とまとめた。

　次いで、感謝の気持ちを伝えるためにどうすればいいか、児童はグループで交流。今後の目標について、「嫌いなものでも残さず食べる」「ちゃんとあいさつをする」と発表していた。

　このあと、研究協議に移り、チーム・ティーチングによる授業の留意点、同事業における残食量調査、個に応じた栄養管理などについて、参加者から質問が挙がった。

　うち、個に応じた栄養管理について、岸政継教頭は「低・中・高学年の三種で配膳しているが、児童の体格に合った摂取量を提供するため工夫に努めている」と述べていた。

(学校 2015-12-03付)