道教委指定・函館市八幡小が実践発表会開く 子の思考力高めるために 300人が提案授業や講演で研鑚(学校 2015-12-04付)
函館市八幡小実践発表会
【函館発】函館市立八幡小学校(三島千春校長)は十一月二十七日、同校で実践発表会「授業力アップほっともっとセミナー」を開催した。函館市内および渡島管内の教員ら約三百人が参加。八幡小の若手教員ならびにベテラン教員による公開授業や、元横浜市立小学校教諭で、初任者指導アドバイザーを務める野中信行氏による国語の提案授業=写真=、講演などを通じ、児童たちの思考力を高める授業づくりについて研鑚を積んだ。
同校は、道教委の学力向上に関する総合実践事業指定校。研究主題として、「確かな学力の定着を図る学習指導の工夫~思考力を高める授業を通して」を掲げ、三ヵ年研究を推進。本年度は最終年次に当たる。
実践発表会では、「チーム八幡」が目指す授業力向上の姿として、若手教員六人とベテラン教員十人が、各授業を公開した。
公開授業のあと、初任者指導アドバイザーの野中氏が、五年二組で国語の提案授業を行った。
野中氏は、谷川俊太郎の詩「なくぞ」を教材に、詩を読み、登場する一人の男の子の心情に思いを寄せる授業を進めた。
導入では、詩の中で一人の男の子が登場することを説明し、「男の子は強い子か、弱い子か」と最初に感じた印象を質問した。三十五人の児童のうち、強い子と答えたのは十三人。弱い子としたのは二十二人。印象を確認した上で、詩を二~三行ずつ板書しながら、児童数人に板書した詩を読ませることを繰り返した。
中では、詩の一部をカッコ書きにし、「どんな言葉が書かれていると思うか」と問いかけ、隣り合う児童同志で考えさせた。答えが当たっていたらガッツポーズ、間違っていたらボロボロ涙を流すまねをするよう呼びかけ、児童を詩の世界に引き込んでいった。
詩を読む児童には、最初に感じた印象をもって読むことを求めた。児童が読むたびに、野中氏は「上手だね。君は弱い子と思ったんだね」「すばらしい。強い子の感じが出ている」と声をかけ続けたほか、児童が答えを発表する際には、「手の挙げ方が上手だね」と褒め、ほかの児童にお手本とするよう呼びかけた。
また、板書した詩を児童がノートに書き写す際には、「すぐに書く、書いたら鉛筆を下ろす」などと呼びかけ、テンポよく書き写すよう授業を進めていった。
最後に、児童が詩をすべて書き写してから、再度、「強い子か、弱い子か」と質問。強い子と答えたのは最初の十三人から二十三人に増えた一方で、弱い子としたのは最初の二十二人から十二人に減った。強い子と答えた児童、弱い子と答えた児童がそれぞれ全員で声を合わせ詩をあらためて読み上げ授業が終了した。
◇
野中氏は、提案授業のあと、「学力向上を図る授業づくりを考える」と題して講演した。学校力向上事業に取り組んだ学校の変容ぶりや、学力が最下位の学校が三年間で全国平均とほぼ同等にまで上昇した事例などを示し、学校ぐるみで日常の授業を改善していくことの重要性を強調した。
併せて、改善に必要となるポイントや対策を分かりやすく説明し、先に紹介した提案授業を例に、児童に「小刻み活動」を求めることなど、児童が集中してくれる授業づくりを期待した。
(学校 2015-12-04付)
その他の記事( 学校)
室蘭市天沢小が公開研究会開催 考えさせる授業づくりを 120人が算数指導のポイント理解
【室蘭発】道教委による地域連携研修主体校として指定を受けている室蘭市立天沢小学校(柿崎幸恵校長)は十一月二十七日、同校で公開研究会を開催した=写真=。研究主題は「自ら考え、互いに高め合う子...(2015-12-09) 全て読む
函館中部高生が道教育大附属函館中へ 連携授業で交流深める コミュニケーション英語の成果発揮
【函館発】函館中部高校(千原治校長)は十一月二十七日、道教育大学附属函館中学校(羽根田秀実校長)に生徒を派遣し、英語連携授業を行った。函館中部高の提案により実現したもので、初回の授業には二...(2015-12-08) 全て読む
札幌英藍高が公開研究会開催 指導の改善・充実図る 数学科1年の2授業を公開
札幌英藍高校(田中俊一郎校長)は十一月二十七日、同校で文部科学省指定の「教育課程研究指定校事業」(数学)における公開研究会を開催した。公開授業では、数学科一年の「数学A~場合の数と確率」の...(2015-12-08) 全て読む
旭川聖和小が最後の感謝祭開催 みんなですてきな思い出を 児童が出店などでおもてなし
【旭川発】本年度末に閉校する旭川市立聖和小学校(中谷扶美子校長)は十一月二十八日、同校で「聖和っ子祭り(収穫感謝祭)」を行った=写真=。全校児童八人が一致団結し、地域や保護者、卒業生など約...(2015-12-04) 全て読む
ドーピング根絶へアイデア発表 啓発グッズ、動画など 札幌平岸高デザインアートコース
札幌平岸高校(井田圭介校長)は十一月中旬、同校でアンチ・ドーピングプレゼンテーションを開催した=写真=。デザインアートコース二年生三十九人が参加。ドーピング根絶を呼びかけるグッズや動画など...(2015-12-04) 全て読む
白樺高等養護が開校50周年記念式典 築きあげた絆を再確認 400人出席し盛大に祝う
白樺高等養護学校(藤根収校長)の開校五十周年記念式典が十一月二十八日、同校体育館で挙行された。同校は昭和四十年、全国で初めて職業学科を設置した高等部校として誕生。地域に根ざした教育活動を展...(2015-12-04) 全て読む
文科省スーパー食育スクール事業 食を通じ学力・体力向上 東神楽小が公開研究会開催
【旭川発】文部科学省のスーパー食育スクール事業指定校の東神楽町立東神楽小学校(本田修校長)は十一月二十六日、食に関する公開研究会を開催した。食育を通じて学力・体力・運動能力の向上、望ましい...(2015-12-03) 全て読む
七飯町軍川小が収穫祭開く 実りの秋に感謝! 丹精込め育てたもち米調理
【函館発】七飯町立軍川小学校(木村孝校長)は十一月二十日、同校で収穫祭を開催した。春からバケツで栽培してきたもち米を使って、臼と杵でもちをつき、雑煮やお汁粉、きな粉餅に調理。全校児童十八人...(2015-12-03) 全て読む
札幌市屯田西小が教育実践発表会 18授業公開し成果示す 2年生活科―おもちゃづくりで学び合う
札幌市立屯田西小学校(田崎栄子校長)は十一月二十七日、同校で第七回教育実践発表会を開催した。研究主題「学び合う子どもの育成」のもと、十八の授業を公開。このうち、二年一組生活科「うごくうごく...(2015-12-02) 全て読む
札幌国際情報高が研究協議会開催 主体的な学びの成果発表 公開授業―古典Bでは俳句を英訳
札幌国際情報高校(松田直久校長)は十一月十八日、同校で二十七年度言語活動を通したコミュニケーション能力の育成(言語教育におけるアクティブ・ラーニング)に関する研究協議会を開催した。約百人が...(2015-12-02) 全て読む