室蘭市天沢小が公開研究会開催 考えさせる授業づくりを 120人が算数指導のポイント理解(学校 2015-12-09付)
室蘭市天沢小が公開研
【室蘭発】道教委による地域連携研修主体校として指定を受けている室蘭市立天沢小学校(柿崎幸恵校長)は十一月二十七日、同校で公開研究会を開催した=写真=。研究主題は「自ら考え、互いに高め合う子の育成~学ぶ楽しさを実感できる算数科学習指導の研究」。関係者ら約百二十人が参加し、〝教えて考えさせる授業づくり〟のポイントなどについて理解を深めた。
同校は、道教委による地域連携研修主体校、室蘭市による学力向上事業研究奨励校、パイロットスクール事業研究指定校となっている。学力差が大きく、算数科の指導に苦慮していたという実態から、前年度より授業論の根本を見直す指導方法の大転換が必要であるとの認識に立ち、新たな研究を三ヵ年計画で行うことになった。
具体的には、東京大学大学院教育学研究科の市川伸一教授が提唱する「教えて考えさせる授業」という、すべての子どもたちに学ぶ意欲と深い理解を育むやりがいのある授業実践の研究を進めている。
研究二年目となる今回の公開研究会では、一年次目に確立した指導過程の統一化を図った「説明」→「理解確認」→「理解深化」→「自己評価」の流れを継承。その上で、本年度の仮説である「説明部分を工夫したり学習活動をパターン化したりすることで、学習に見通しが持て、主体的に取り組む子どもの姿」に基づく授業を公開した。
一、四、五年生における公開授業では、「教える」段階で、実物投影機を使ってノートを写し出したり、パワーポイントで作成した面積図を動かして説明したりするなど、理解させるための工夫を凝らしていた。
分科会の協議は、付箋を使い三面討議法によるワークショップで、段階に分けた授業展開や協議の柱について話し合い、成果や課題を見いだした。
初めてこの授業展開を見た参加者が多くを占め、「複式学級における指導方法のヒントを得ることができた」との意見も。また、札幌市から「教えて考えさせる授業」を観るために来校した参加者もいた。
午後からは、東大大学院の市川教授による講演会を実施。「教えて考えさせる授業の動向と今後の課題」について説明した。参加者からは、「あらためて、教えて考えさせる授業は、すべての子どもたちにやりがいのある授業であり、教科書を使って教科書を越える授業、確実な定着と理解・活用・思考・表現のある授業であると確信できた」との意見が寄せられた。
※用語解説
▽教えて考えさせる授業=①教師の説明②理解確認③理解深化④自己評価―の四段階を授業設計の原理とするもので、特に、②~④の理解にかかわる段階を重視する。授業の目標は、「学力の低い子が基礎的な知識・技能を身に付け、高度な課題解決に参加できる」「学力の高い子が達成感・充実感を味わえる」であり、その達成のための様々な工夫がなされる。
(学校 2015-12-09付)
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