札幌英藍高が公開研究会開催　指導の改善・充実図る　数学科１年の２授業を公開

（学校 2015-12-08付）

札幌英藍高公開研

　札幌英藍高校（田中俊一郎校長）は十一月二十七日、同校で文部科学省指定の「教育課程研究指定校事業」（数学）における公開研究会を開催した。公開授業では、数学科一年の「数学A～場合の数と確率」の発展クラス、標準クラスの二授業を公開。生徒に定着しづらい「反復試行の確率」について、教員の指示と生徒の考える機会のバランスを取りながら授業内容の定着を図った。また、文部科学省初等中等教育局視学官の長尾篤志氏を助言者に迎え、基礎的・基本的な知識・技能の確実な定着を図るとともに、生徒の主体的な活動を重視した指導方法の工夫改善について研究協議。全道各地から二十五人が参加した。

　同事業は、文科省の指定に基づき、同校の取組にかかわる公開授業や研究協議を通して、同校および参加所属校における数学教育の改善・充実を図ることを目的としている。

　開会式で田中校長は「本事業の指定校として、二十六年度から二ヵ年計画で研究を進めてきた。また、アクティブ・ラーニングにも取り組んでいる。ことしはまとめの時期。皆さんからいろいろな意見をいただき、まとめをしていきたい」とあいさつ。公開授業を担当する本川昌史教諭、山後裕紀教諭がそれぞれ授業のポイントや流れ、定着させたい力などについて説明した。

　うち、本川教諭は同校一年生の発展クラスの授業を公開＝写真＝。計算力の高い生徒が多いが、「場合の数と確率」の単元について苦手意識をもつ生徒が多く、また、授業への参加度合いにも格差があるため、その克服とともに、場合の数を求めるときの基本的な考え方や確率についての理解を深め、それらの事象の考察に活用できるよう授業を展開した。

　冒頭、身近なくじ引きに例えて問題を提示。生徒の興味・関心を引き出すとともに、グループで相談しながら問題を解き、それを発表。どうやって問題を説いたのかについて意見交換しながら反復試行問題の定着を図った。また、ほかの解き方の解説を行うとともに、「数字が変わったらどうなるか？」と発問し、グループでの討議を促した。これらの過程では、生徒たちの考えを最大限尊重し、間違っていても、「どこが違うのか」を詳しく解説し、生徒の興味・関心を損なうことなく授業を進めた。　

　公開授業後は、授業について長尾視学官とともに、研究・協議を進め、数学教育の深化を図った。

(学校 2015-12-08付)