札幌国際情報高が研究協議会開催 主体的な学びの成果発表 公開授業―古典Bでは俳句を英訳
(学校 2015-12-02付)

国際情報高研究協議会
札幌国際情報高研究協議会

 札幌国際情報高校(松田直久校長)は十一月十八日、同校で二十七年度言語活動を通したコミュニケーション能力の育成(言語教育におけるアクティブ・ラーニング)に関する研究協議会を開催した。約百人が参加。国語科と英語科の公開授業やパネルディスカッションを通して、主体的に学ぶアクティブ・ラーニングに関する研究成果を発表した。

 生徒が主体的に学べる教授技術について研究している同校は、三年前から同研究協議会を開いており、本年度は道教委の「課題解決に向けた主体的・協働的な学び(アクティブ・ラーニング)推進事業」の協力校となっている。

 当日は高橋一嘉教諭が二年生普通科「古典B」と一年生普通科「現代文B」、木村純一郎教諭が二年生普通科「コミュニケーション英語Ⅰ」と一年生国際文化科「異文化理解」の授業を公開した。

 うち、「古典B」では、俳句を英訳し、分かりやすく説明するスキルを身に付けるとともに、俳句の英訳と日本語訳を読み比べ、言外にある内的言語形式の存在に気づくこと、複眼的な思考力、批判的な思考力を身に付けることなどをねらった。

 前時に生徒は、松尾芭蕉の俳句「古池や 蛙飛び込む 水の音」の英訳を行っており、本時ではまずグループごとに英訳した「HAIKU」を交流=写真=。「もっとも強調したい水の音を主語にした」「小さな蛙と大きな池を対比する表現を使った」などと説明した。

 高橋教諭は「テーマは〝言葉が違えば見える世界も違う〟。直訳と翻訳の違いを体験してみよう」と呼びかけ、英訳した二つの「HAIKU」を提示。グループごとに比較分析し、気づいたことを付箋紙に書いていった。

 全体発表では、生徒は「一つはただ直訳しているだけでシンプルであり、もう一つは動画のように情景が浮かぶ」などと違いを指摘し、高橋教諭は「俳句の中に静かな表現はないのに、静寂のイメージはどこから感じるか」「どこにある池か」などと聞きながら様々な視点からみる大切さを伝えた。

 さらに、高橋教諭は「吾輩は猫である」を「I am a cat」と訳したものには違和感を感じることを話し、日本語の一人称は、「俺」「僕」「わし」など多様であり内的言語形式があることを説明。「様々な視点で言葉をみて、根拠をもとに解釈してもらった。つぎの時間もイメージを膨らませて訳してみよう」と呼びかけた。

 授業後には、立教大学経営学部国際経営学科の松本茂教授を迎えて、公開授業に関するパネルディスカッションを行った。

(学校 2015-12-02付)

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