福島商業高生徒確保で福島町　下宿利用者などに助成　２８年度予算で新たに６３０万計上へ

（市町村 2015-12-11付）

　【函館発】福島町は二十八年度から、福島商業高校の存続に向けた支援策を大幅に拡大する方針を固めた。新たに下宿などの利用者に対し、月額最高五万円を支給するほか、町外から入学し福島町内に居住する祖父母等宅から通学する生徒に対し、月額最高二万円を助成。また、自動車運転免許取得費用として十万円を補助する。

　福島商業高校の入学者数は、二十五年度二十八人、二十六年度二十三人、二十七年度二十二人と、最近三ヵ年は毎年減少している。今後、福島町内の小・中学生も減少で推移していくことが見込まれており、高校の存続に向けて新入生確保が大きな課題となっている。

　町では、これまでも様々な支援策を打ち出してきた。社会での即戦力を養う実践的な商業教育が受けられることや、高度な資格の取得が可能なことなど、学校の魅力を広くＰＲする一方、入学奨励金として十万円を支給し、簿記や情報処理など各種資格習得の検定料を助成。また、通学生に対する交通費の支援、町外からの通学生に対する交通費の全額補助も行ってきた。

　さらに、部活動における各種大会等参加費用を助成し、保護者の負担軽減に努め、公務員受験対策講習や看護系受験対策講習を、在校生のみならず卒業生も対象に無料で実施している。

　二十八年度から実施する新たな支援策にかかる予算として、新規に六百三十万円余りの計上を見込んでいる。

　具体的にみると、ホームステイおよび下宿等に対する補助として、町外からの生徒が下宿等を利用して通学する場合に、月額五万円を限度に補助。ふるさと留学補助として、町内に在住する祖父母等の元から生徒が通学する場合に、月額二万円を限度に助成する。また、普通自動車運転免許取得助成金として、三年生を対象に一人当たり十万円を限度に補助を行う。

　加えて、国家試験受験料の補助として、危険物取扱者試験などの資格を取得した場合は、受験料を全額補助する。高度な検定等にかかる補助として、日商簿記検定などの検定料については、合否にかかわらず助成する。

　このほか、部活動の地区大会への参加・出場助成も実施。これまでは高体連など全道規模の出場経費に対して助成を行ってきたが、二十八年度からは地区大会等への参加・出場経費についても全額補助する。

　さらに、二十九年度の二年生を対象に、海外研修・海外修学旅行への補助として、一人当たり十万円を限度に補助する予定で、二十八年度は海外修学旅行の事前視察を行うことにしている。

(市町村 2015-12-11付)