千歳市教委が本年度全国学力・学習状況調査結果を公表 中学校理科で全国平均上回る 自尊感情に改善の兆し―質問紙調査(市町村 2015-12-10付)
千歳市教委は、二十七年度全国学力・学習状況調査の結果を公表した。小学校では、「国語A・算数Aは、全国平均とほぼ同じ水準で推移している。算数Bについては、全国平均との差を縮めた。国語Bと理科については、差がやや広がった」。中学校では、「国語A・Bは全国平均と同様の水準で推移している。数学A・Bは、全国平均との差を縮められていない。理科については、全国平均を上回った」。質問紙調査をみると、規範意識・自尊感情では、小学校が「すべての設問において、肯定的な回答の割合が前年度を上回っている」。中学校が「規範意識が高く、自尊感情についても改善の兆しがみられる」と分析している。
本年度の調査は、市内の小学校十六校八百八十九人、中学校八校八百四十三を対象に行われた。
調査結果をみると、小学校で、国語Aが「読むこと」は全国平均を上回り、「書くこと」は全国平均との差が前年度調査より縮小した。「話すこと・聞くこと」については、低下傾向がみられ、全国平均との差が広がった。国語Bでは、「読むこと」「書くこと」ともに全国平均を下回ったが、「書くこと」は前年度を上回り、全国平均との差が縮まった。
算数Aでは、「数と計算」領域については緩やかに上昇し、「図形」領域についても全国平均との差がなくなった。算数Bでは、「数と計算」は三年連続上昇。「数量関係」は全国平均との差が広がった。
理科では、「物質」に関して全国平均を上回った。その他の区分では全国平均を下回った。
中学校をみると、国語Aでは「話すこと・聞くこと」「書くこと」「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」は全国平均とほぼ同等。「読むこと」は、差が縮まっていない。国語Bは、「話すこと・聞くこと」は全国平均を上回った一方で、「書くこと」に課題がみられる。
数学Aでは、「数と式」は全国平均との差が広がった。「図形」「関数」に改善がみられる。数学Bでは、すべての領域で全国平均を下回った。
理科では、「物理」「科学」「生物」「地学」の領域で全国平均を上回り、前回(二十四年度)から大きく向上した。
児童生徒質問紙調査の結果では、小学校生活習慣で「早寝・早起き・朝ごはん」の習慣が身に付いてきているが、長時間ゲームをしたり、携帯電話やスマートフォンを使って通話やメール、インターネットをしたりする児童が増えている。
学習習慣では、普段、一時間以上二時間未満勉強する児童が大幅に増え、自分で計画を立てて予習や復習の取り組むなど学習意欲も高まってきている状況がみられる。
規範意識・自尊感情では、すべての設問において、肯定的な回答の割合が前年度を上回った。
国語では、発表の仕方、文章の読み方、自分の考えを書くときの工夫など、学び方について改善の兆しがみられた。算数では、関心・意欲・態度や算数の授業の学び方について、多くの項目で前年度を上回った。理科では、観察や実験方法の検証を苦手としている傾向がみられた。
中学校をみると、生活習慣では、「早寝・早起き・朝ごはん」の習慣が身に付いてきているが、長時間ゲームをしたり、携帯電話やスマートフォンで二時間以上三時間未満、通話やメール等をしたりする生徒が増加した。
学習習慣では、平日、休日ともに家庭での学習時間が少ない状況がみられた。規範意識・自尊感情では、規範意識が高く、自尊感情についても改善の兆しがみられた。
国語では、読書意欲は三年連続で高い水準が維持されており、「書くこと」に関する関心・意欲の向上がみられる。数学では、数学に関する関心・意欲の低下傾向となった。理科では、理科に対する関心・意欲・態度が高く、理科の学び方が身に付いているとみられた。
市教委では、この結果を受け、「各学校では、事項の調査結果と併せて分析・考察を行い、授業改善プランを作成。学力向上に向けた取組を進めている。今後は、千歳市学力向上検討委員会でも検討を進め、次年度の学力向上に向けた提言をまとめ、取組内容に反映させたい」としている。
(市町村 2015-12-10付)
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