札幌市教委が冬季指導の重点通知　いじめへの対応も呼びかけ

（市町村 2015-12-14付）

　札幌市教委は十一日、「命を大切にする指導の充実および冬季における幼児児童生徒の指導について」の通知を市立全学校・園に発出した。冬季における指導の重点を挙げたほか、かけがえのない子どもの命を守るために、組織としてのいじめ対応を呼びかけている。

　通知では、「冬季は札幌の大きな特色である雪を楽しんだり、克服したりする活動などを通して、たくましさやふるさと札幌への想いなどを育む絶好の時期」とする一方で、冬型の交通事故や様々な問題行動の発生を懸念。教職員一人ひとりが危機感をもち、児童生徒一人ひとりの状況に応じた対応を求めている。

　いじめについては、同じ出来事に対する反応が教職員それぞれで異なる。特に、かけがえのない子どもの命を守るため、「いじめの早期発見のためにはささいなトラブルであっても教職員が情報共有するとともに、組織としていじめであるか否かを判断することが重要」と強調。いじめの早期発見の基本を「児童生徒のささいな変化を把握する」「情報は確実に共有する」とした。組織の中に担当者を置き、集まってきた情報を整理して組織でいじめであるかどうかを判断。その後、役割分担を行い、聞き取りや情報整理をするなど、組織的対応を実施することを求めている。

　冬季における指導の重点について、冬季休業前および休業中の指導では、「子どもが二学期の学習や生活を振り返り、満足感や成就感をもって冬季休業を迎えることができるよう、個に応じたきめ細かな指導に努める」「欠席の多い児童生徒については、校内学びの支援委員会やスクールカウンセラー等を活用するなどして具体的な対応を進める。また、家庭や関係機関と十分な連携を図り、全校的な指導体制のもとに適切な指導・助言に努める」などとした。

　また、冬季休業後の指導では、「冬季休業後に生活習慣が崩れる子どももいることから、規則正しい生活のリズムを身に付けることができるよう指導する」「冬季休業後に生活習慣の変化や友人関係が変わるなど、学校生活全般に不安や悩みを抱える児童生徒が不安定な精神状態となることが考えられることから、学級担任をはじめ全教職員が、子ども一人ひとりの特性を適切に把握し、子ども理解を深め、楽しい学校生活を意欲的に送ることができるよう配慮する」とした。

　予想される冬季の事故例では、「除雪された雪山の陰や停車中の車の間から車道に飛び出して、車に接触する」「除排雪作業中の車両に接触したり、流雪溝へ転落したりする」「そりやスキー等の遊びの際、車道に滑り出て、車に接触する」「積雪により埋もれた公園の遊具付近の空洞や、家屋の軒下に積もった雪山と壁の間にできた空洞に落ち、身動きがとれなくなる」―などを挙げている。

(市町村 2015-12-14付)