帯広市教委等が心を育てる教育フォーラム 学ぶ喜び見逃さないで 齋藤氏(公立学校スクールカウンセラー)講演(市町村 2015-12-15付)
心を育てる教育フォーラム
【帯広発】帯広市教委、帯広市教育研究会、いじめ・不登校・非行等に関する対策委員会は四日、帯広市内のとかちプラザで本年度「心を育てる教育フォーラム」を開催した=写真=。市内の教職員やPTAなど八十六人が参加。道公立学校スクールカウンセラーの齋藤敏子氏が「親・教師・関係者は何ができるか、何をなすべきか?~小学生・中学生・高校生・引きこもり青年の事例を通して考える」と題して講演した。斎藤氏は、様々な事例や自身の経験談をもとに、いじめ・不登校・非行などの問題を抱える児童生徒の対応や指導方法などについて説明した。
フォーラムは、学校、家庭、子どもを取り巻く環境の現状と課題について考えながら、「子どもたちの健やかな成長のために、今、私たちにできることは何か」を、カウンセリングの視点から考えるもの。市内の学校関係者や教職員、PTAなど八十六人が参加した。
開会に当たり、帯広市教育研究所の楜澤実所長があいさつ。生徒指導や教育相談を行っていく上で大切なこととして、「子どもたちを取り巻く様々な環境や問題行動などの要因を的確に分析し、一人ひとりのニーズに応じたより効果的で適切なかかわり方や、支援の在り方を考えて実践すること」と強調した。「学校や保護者との関係の変化、家庭生活の多様化などにおいて、学校や現場だけでは対応が困難な状況もある」とし、「各関係機関との連携を図り、より広い視野に立って、児童生徒とかかわるなど、専門性の高い支援を行ってほしい」と求めた。
続いて、帯広市教育研究会の村井正志会長が登壇。同研究会の歴史を振り返ったあと、同フォーラムを通して、公立学校スクールカウンセラーの視点から、多くのことを学び、明日からの児童生徒や保護者・関係者と接する際のヒントを、多く得られるよう期待を寄せた。
つぎに、道公立学校スクールカウンセラーの齋藤氏が「親・教師・関係者は何ができるか、何をなすべきか?~小学生・中学生・高校生・引きこもり青年の事例を通して考える」と題して講演した。
斎藤氏ははじめに、自身の体験談や事例をもとにグループワークを実施。参加者に、「学校は何を学ばせるべきか、指導するべきか」を考えさせた。
次いで、様々な不登校の事例を紹介し、「子どもはなぜ学校に来るのか」「なぜ学校に来られないのか」「不登校の要因」などについて解説。「子どもたちは新しいことを発見することや、できないことができるようになったときに学ぶ喜びを感じる。その場面を見逃さず、しっかり評価することが大切」と強調した。
また、不登校と家庭環境の結び付きについて説明し、「子どもたちが安心して学校に通えるよう、学校・学級・家庭環境を整えることが重要」と指摘した。
このあと、いじめや非行の問題を抱える児童生徒の対応について解説。当事者の言葉に耳を傾け、思いを突き詰めることの大切さや最後まで諦めないでかかわりをもち、解決策を探る重要性を説いた。
参加者は、「不登校の生徒に学校が楽しいと感じられるよう、職員全体で支援し、登校できるまでかかわっていきたいとあらためて感じた」「これから、子どもたちに、“学校に来るとたくさん良いことがある”と言ってあげられるような環境づくりをしていきたい」などと話していた。
(市町村 2015-12-15付)
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