学ぶ楽しさ、分かる喜びを 子どもの学力について考える会in十勝(道・道教委 2015-12-11付)
子どもたちの学力について考える会in十勝
【帯広発】十勝教育局と十勝管内教育委員会連絡協議会教育長部会(菅原裕一部会長)は十一月三十日、帯広市内のホテルグランテラス帯広で本年度「北海道の子どもたちの学力について考える会in十勝兼十勝管内教育委員会連絡協議会教育長部会〝教育講演会〟」を開催した=写真=。帯広市立帯広小学校の佐藤敬示教諭と大樹町立大樹中学校の横山一仁教頭、大橋一博教諭による実践発表や帯広市PTA連合会の保前明美会長がPTAの取組を発表したほか、旭川美術館の菅沼肇館長が「学びのDRY~確かな学びは九年間で」と題して講演。約百七十人の参加者は、子どもたちの学力向上や生活習慣等の在り方について考えを深めた。
子どもたちに、社会で自立して生きていくために必要な基礎学力を身に付けさせることの大切さについて、教育委員会や学校、保護者および地域住民が共通理解を深めるとともに、学力向上や望ましい学習習慣、生活習慣の定着等に成果を上げている市町村や学校の取組を共有することによって、地域が一体となった学力向上の機運を高めることが目的。管内各地から教育長や校長、教頭など約百七十人が参加した。
冒頭、あいさつに立った菅原部会長は「実践発表や講演会を通して、学校・家庭が取り組んでいく内容について、理解を深め、組織的・継続的な取組が一層推進されることを願っている」と期待。「今後、管内すべての子どもが、毎日の生活の中で、学ぶ楽しさや分かる喜びを実感し、未来に向け、たくましく自己実現することができるよう、みんなで進めていきたい」と呼びかけた。
続いて、帯広小の佐藤教諭、大樹中の横山教頭、大橋教諭が自校の実践を発表した。
佐藤教諭は、本年度から研究を進めている「授業改善推進チーム活用事業」の取組を紹介。本務校および兼務校の授業改善や児童の学力向上を目指して取り組んでいることを報告した。
具体的な実践として、「〝ほっかいどうチャレンジテスト〟や〝全国学力・学習状況調査〟の問題を授業中に有効活用すること」や、「校内研修での資料提供や教員との協議」などとともに、国語および算数のチーム・ティーチング(TT)によって、全学級の授業改善を図っていることを報告。「学習規律の定着」「学習方法の浸透」「学力向上」「教材のデータ化」などの成果がみられる一方で、「指導観・方向性の相違」「継続性」などを課題に挙げた。
大樹中では、子どもたちの学習の定着に向けた取組みを発表。普段の授業で分からないことを理解するために、「レッツベンキョープロジェクト(放課後学習会)」を行っていることや、生活を自分で管理するために「自己管理手帳」を導入したことなどを紹介した。
成果として、「全教職員が共通理解を図り、授業実践を行うことによって、学力の定着が図られてきた」「家庭への様々なアクションを通して、家庭での学習習慣の確立が図られつつある」などを挙げた一方で、「同校の数値目標を達成するために、より教員の授業改善を図るとともに、生徒が自主的、主体的に学習習慣を確立することができるよう、家庭と連携を図った取組を一層推進する必要がある」と課題を指摘した。
このあと、帯広市PTA連合会の保前会長がPTAの取組を紹介。①子どもの生活リズムを整える②子どもの良さに目を向ける③子どもの持ち物に目を向ける④子どものメディア依存を防ぐ―の四点について訴えた。
(道・道教委 2015-12-11付)
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