道教委28年度予算概算要求の基本方針 児童生徒への影響を考慮 効率的・機動的な執行体制へ(道・道教委 2015-12-11付)
道教委は九日、二十八年度予算概算要求の基本方針を決定した。「北海道の未来を拓くグローバル人財」の育成のための事業や、直接児童生徒に影響のある事業、学校教育に直接的に必要となる事業に十分配慮していくことを明示。こうした考えを踏まえ、「北海道教育推進計画」の着実な推進に向けた施策展開に取り組むとともに、学力や体力の向上、いじめ・不登校に対する取組など喫緊の課題に対応するための予算づくりを進めていくことなどを盛り込んだ。事務事業については、組織機構および職員配置において簡素で効率的・機動的な執行体制に向けて不断の見直しをする方向性を示した。
同日開かれた第二十四回教育委員会会議に諮り、了承された。
道では十一月、今後五年間における行政改革と財政健全化に向けた方針を示した「仮称・今後の行政改革と財政健全化に向けた取組方針〈方向性〉」(以下、取組方針)をまとめた。これによると、二十八年度に五百十億円の収支不足が生じると試算。以降も不足が続く見通しを示しており、財政的調整による収支対策を基本に検討するとしている。
道教委としても、取組方針に沿って、歳入・歳出にわたる見直しを一層強化するとともに、当面する教育行政上の諸課題に適切に対応した各施策予算の確保に向けて、最大限の努力をしていく方針を示した。
特に、「北海道の未来を拓くグローバル人財」の育成のための事業や、直接児童生徒に影響のある事業、学校教育に直接的に必要となる事業に十分配慮していくことを強調。学校教育以外の分野では、関係機関相互の役割分担を見直し、事業個々の緊急度、優先度をはじめ必要性、妥当性について十分見極めながら必要な経費の確保に向けて取り組む。
さらに、内部的な経費については、最大限節減に努め、これまで以上に事務の簡素化を図り、効率的な執行に努めていく。
その上で、基本的事項として、
①本道の教育を取り巻く環境や現状、国における教育改革の動向などを踏まえつつ、「社会で活きる実践的な力の育成」「豊かな心と健やかな体の育成」「信頼される学校づくりの推進」「地域全体で子どもたちを守り育てる体制づくりの推進」「北海道らしい生涯学習社会の実現」のため、「北海道教育推進計画」の着実な推進に向けた施策展開に取り組むとともに、「子どもたちの学力や体力の向上に向けた取組」「いじめ・不登校に対する取組」など本道教育における喫緊の課題に対応するための予算づくりを進める
②各種事業については、二十七年度の施策評価の結果および毎年度の最終補正における予算措置状況等を踏まえ、的確に予算要求に反映することを原則とする
③新たに求められている教育行政に対処するための新規事業などについては、政策評価に基づく施策の見直しによって財源を捻出することを基本とし、安易に前例、習慣にとらわれることなく、既存事業との振替や統合など、スクラップ・アンド・ビルドの原則を徹底し、廃止および見直し時限を設定する
④事業実施に伴う事務的経費については、コスト縮減の取組についてさらに一層の徹底を図る
―の四点を掲げた。
また、施設等建設事業費については、取組方針および「北海道ファシリティマネジメント導入基本方針」を踏まえ、既存施設の長寿命化を図るなど、設備投資の最小化に向けた調整を行っていくことを盛り込んだ。
歳出に関する事項のうち、事務事業については、必要性や優先度などに基づく合理的な選択と質の向上を図り、事業評価を踏まえた見直しを確実に予算に反映させるとした。組織機構および職員配置についても、簡素で効率的・機動的な執行体制に向けて不断の見直しをする方向性を示した。
教育委員会会議では、委員から「学力や体力の向上、いじめ等の解決のために人員予算を確保しなければならない」「事業推進に当たり、学校の事務作業が膨大にならないよう見直しが必要」「ICTの活用も重要であり、情報漏洩しないセキュリティーの確保など、安全な環境づくりをすべき」などの意見が出された。
(道・道教委 2015-12-11付)
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