教育の政治的中立性を　道教委が道立学校長等に通知

（道・道教委 2015-12-15付）

　道教委は、道立学校長や市町村教委教育長などに対し、「教育の政治的中立性の確保」を要請した。道立高校で、「政治的目的を有する」と考えられるクリアファイルが校内に置かれていたとの調査結果を受け、十一日付で総務政策局長名通知を発出した。

　ことし八月、道立高校内で「アベ政治を許さない」との文言が入ったクリアファイルが職員の机上に置かれていたとの情報が寄せられたことから、道教委は、道立高校全校に聴き取り調査を行い、五管内五校で同様の行為を確認した。

　十月に指導通知を発出したのに併せ、道立学校・市町村立学校職員を対象とした文書調査を実施した。

　その結果、道立学校について、八管内十五校で、クリアファイルが校内に置かれていたなどの状況が二十件確認された。市町村立学校では、該当行為が確認されなかった。

　道教委は、九日の道議会文教委員会と教育委員会会議に調査結果を報告し、道立学校等に指導通知を発出すると表明していた＝十日付１面既報＝。

　道立学校長に対する通知では、「教育公務員については、教育の政治的中立性の原則に基づき、特定の政党の支持または反対のために政治的活動をすることは禁止され、併せて、教育公務員特例法によって適用となる、国家公務員法およびこれに基づく人事院規則によって特定の政治的目的を有する政治的行為に一定の制限がなされている」と説明した上で、調査の経緯と結果を示した。

　道立学校で確認された行為について、「直ちに法令等に違反するものではないが、児童生徒や保護者の目にふれ誤解されるおそれがある」と指摘。十月十四日付教育長名通達「教職員の政治的行為の制限について」に基づき、「教育公務員の政治的中立性を確保し、学校教育に対する道民の信頼を損なうことのないよう、あらためて職員一人ひとりに対して指導を徹底し、服務規律の確保に万全を期す」ことを要請している。

　市町村教委教育長あて通知では、市町村立学校で該当行為が確認されなかったとし、所管学校教職員の服務規律確保のため、引き続き指導するよう求めている。

(道・道教委 2015-12-15付)