道教委が子ども民俗芸能振興事業成果発表会　郷土の誇り、豊かに表現　道南４管内６３人が神楽や太鼓など

（道・道教委 2015-12-17付）

子ども民俗芸能振興事業成果発表会

　【函館発】道教委は十三日、ネイパル森で「ほっかいどう子ども民俗芸能振興事業（道南ブロック）成果発表会」を開催した。渡島、桧山、胆振、日高管内の小・中学生六十三人が、神楽や太鼓など地域に伝わる民俗芸能を披露。会場に詰めかけた約百人の観客に、郷土色豊かな民俗芸能の素晴しさを紹介した。

　道教委は、子どもたちの民俗芸能への興味・関心や郷土愛を育み、後継者を育成し、民俗芸能の振興を図ることに力を入れている。道南ブロックの成果発表会には、一市三町の児童生徒が参加し、これまでの練習の成果を披露する一方、ほかの参加団体との交流を通じ、互いに地域に誇りをもつ心を育んだ。

　発表会に参加したのは、松前町の江良八幡神社杵振舞保存会、江差町の江差追分踊り保存会、苫小牧市の勇払千人隊芸能保存会、えりも町の襟裳神楽保存会。

　襟裳神楽保存会は、えりも町立えりも小学校の児童二十人による神楽を披露。船の安全と大漁を祈願した舞として、一八一四年（文化十一年）から受け継がれているもので、笛や太鼓、鉦などによるはやしが響く中、二人のひょっとこが三頭のあばれる獅子を鎮める様子を演舞した。

　ひょっとこ役を演じた男子児童は、「七月から毎月二、三回練習してきた。練習のときより良くできた」と汗をぬぐった。獅子舞役の男子児童も、「チームワークよくしっかりとやれた。スピードを一定に保つことができた」と笑顔をみせた。

　本道は少子高齢化や都市部への人口流出が進み、各地域に長く受け継がれてきた貴重な地域文化の保存、伝承が困難となりつつある。道教委では、「民俗芸能の伝承に取り組む子どもたちの活動が、子どもの自尊感情や自己肯定感を育み、地域を愛し、ともに支え合う自主性の高い地域づくりにつながる」として、今後も子どもたちの活動を支援していく予定だ。

(道・道教委 2015-12-17付)