道教委が土曜授業カリキュラム検討委等 ねらい確認し共通理解を 学校の主体性発揮が重要
(道・道教委 2015-12-17付)

土曜授業カリキュラム検討委
土曜授業カリキュラム検討委

 道教委は十五日、札幌市内の道第二水産ビルで二十七年度第二回道土曜授業カリキュラム等検討委員会・成果発表会を開いた=写真=。文部科学省委託「土曜授業推進事業」の一環。実践校の取組を踏まえ、「土曜授業のねらいを明確にすることが必要。何のために行うのかを確認し、共通理解しなければ」などの意見が出たほか、検討委員からは、「学校が主体性を発揮することが重要。保護者からの意見を吸い上げ、地域の理解を得て応援団になってもらうことを通し、社会全体で子どもを育てる基盤づくりができるのでは」などのアドバイスが寄せられた。

 同事業は、学校における質の高い土曜授業を推進するため、効果的なカリキュラムの開発、特別非常勤講師や外部人材、民間事業者等の活用を支援するとともに、その成果を普及することを目的に実施している。

 本年度は、実践校二十校(小学校十二校、中学校七校、中等教育学校一校)、実践協力校三十一校(小学校十九校、中学校十二校)を指定。実践校では、年間の教育課程に位置付けた土曜授業を年間十回程度実施し、①基礎・基本の確実な定着②外部人材や地域の教育資源の活用③体験的・問題解決的な学習の充実―に取り組んだ。

 また、道教委は、道土曜授業カリキュラム等検討委員会を設置し、事業推進のための指導・助言や、成果の普及の在り方についての協議、効果的なカリキュラムの在り方の検討などを行っている。

 検討委員会・成果発表会は、実践校の発表等を通じて成果を共有するとともに、土曜授業のカリキュラムの充実に向けた協議を行うために開催。実践校・実践協力校や次年度に土曜授業を予定している学校の教職員、市町村教委職員、検討委員会委員など約六十人が参加した。

 冒頭、岸小夜子義務教育課長があいさつに立ち、検討委員会・成果発表会の成果に期待を寄せた。

 事業概要の説明のあと、実践校が取り組む①~③のテーマ別に二グループずつ、計六グループに分かれ、実践校の発表とそれに基づく協議を行った。

 各実践校は、①について、「平日の学習内容と連動させる」「個別学習の時間を十分に確保する」「保護者や地域住民に授業公開する」「個別学習や習熟度別学習の時間を十分に確保する」ことなど、②について、「地域人材を積極的に活用する」「平日の学習では体験できないことを体験させる」「平日の学習内容と関連させる」ことなど、③について、「ふるさとを実感する体験を充実させる」「地域を活用して体験的・問題解決的な学習を充実する」ことなどにポイントを置いた実践を発表した。

 今後の課題や取組についても協議。中では、「土曜授業のねらいを明確にすることが必要。何のために行うのかを確認し、共通理解しなければ」「継続性のある内容にするべき。地域と一緒に取り組むことで、継続性が生まれる。地域でやることと、学校でやることとのすり合わせが必要」などの意見が出た。

 また、検討委員からは、各校の取組について、「子どもの変容はもちろん、教師の変容もみられた。やりがい、モチベーションが確実に上がっている」「テーマが深化している。特に、外部の力を学校に導入することによって、学校と地域との双方向の交流が生まれた」などと評価する声があった。

 さらに、今後、取組の充実に向けて、「学校が主体性を発揮することが重要。保護者からの意見を吸い上げ、地域の理解を得て応援団になってもらうことを通し、社会全体で子どもを育てる基盤づくりができるのでは」などのアドバイスも寄せられた。

(道・道教委 2015-12-17付)

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