道いじめ調査委の提言概要 子とかかわる時間づくりを サインに気づく力量の研鑚求める(道・道教委 2015-12-18付)
道いじめ調査委員会がまとめた回答文(十七日提出)で示された提言では、①重大事態発生時の対応②事実関係等調査時の対応③いじめ発生防止のために―の三つの柱を掲げた。「子どもとかかわる時間をもてるような体制づくり」「一つの出来事から全体を想像する力」「子どものサインと表現に気づくための力量の研鑚」などの必要性を呼びかけている。
「重大事態発生時の対応」では、いじめを受けた児童生徒および保護者との信頼関係の構築を最も重要なことに挙げ、「学校や教育委員会は当事者の心情に寄り添い、継続的にコミュニケーションを図って」「心のケアを目的にスクールカウンセラーなどの専門家を派遣することが望ましい」と指摘。
いじめを行った児童生徒に対する指導とその保護者への対応にもふれ、「いじめを行った児童生徒がこの経験に自ら向き合い、その中で自分の行為の意味を見つめ直し、その反省から他者との関係の望ましい在り方を理解するためには、学校と保護者の協力関係が重要」「集団としていじめを許容してしまったクラスの在り方について見つめ直すよう促すことや、うわさや憶測によって誤認されている事実関係の修正を行い、児童生徒の成長発達の機会となる指導を行うべき」と助言している。
「事実関係等調査時の対応」では、学校関係者への聞き取りは第三者が行うべきとし、「学校外部の視点から学校の対応や組織の在り方を問いかけられることによって、重大事態発生に至るまでの出来事を客観的に見つめ直すことができる」と指摘している。
「いじめ発生防止のために」では、「不適切な言動を早期発見して指導するだけではなく、日常的に機会をとらえて子どもにかかわり、内省的に子どもの成長を促し支えることが重要」と、校内の体制づくりについて助言。学校管理職や教育委員会は、教員個人に子どものかかわりの重要性を説くだけではなく、子どもとかかわる時間をもてるような体制づくりを行うよう求めている。子どものサインと表現に気づくための力量を研鑚する場を設ける必要性も訴えた。
さらに、学校関係者には一つの出来事から全体を想像する力が必要であること、児童生徒のサインと表現を複数の教員で共有すること、学校だけで問題を抱え込まず保護者や地域との協力体制を構築することの大切さも呼びかけている。
(道・道教委 2015-12-18付)
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