道教委が集団カウンセリング研修会開く 望ましい人間関係構築を 構成的グループ・エンカウンター題材に(道・道教委 2015-12-21付)
集団カウンセリング研修会
道教委は十五日、札幌市内かでる2・7で二十七年度第二回「中一ギャップ問題未然防止事業」および「高校生ステップアップ・プログラム」集団カウンセリング研修会を開催した。各事業の担当教員など約六十人が参加。北海商科大学の大友秀人教授を講師に迎え、構成的グループ・エンカウンター(SGE)を体験。子どもたちの人間関係づくりやコミュニケーション能力を効果的に高める方策について考えを深めた。
児童生徒の仲間づくりの支援や、コミュニケーションスキルの向上を図る集団カウンセリングを実施する教員、指導担当職員の技能の向上を図るために実施。SGEについて研修を深めることとした。
冒頭、学校教育局参事(生徒指導・学校安全)の佐藤裕之主幹があいさつ=写真=。二十六年度児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査の結果にふれ、「暴力行為や中途退学は前年度に比べ減少傾向にあり、各学校や関係機関がきめ細かな取組を進めてきた成果が表れてきている」と評価。一方で、いじめや不登校は増加傾向にあり、憂慮すべき状況であることを指摘した。
道教委の各種事業によって、児童生徒の望ましい人間関係づくりの能力や、コミュニケーションスキルの育成を図る実践研究を進めてきたことに言及し、「実施校からは児童生徒のコミュニケーション能力や学校生活への適応感が高まり、不登校や中途退学が減少した」と示した。その上で、「望ましい人間関係づくりの能力やコミュニケーションスキルの向上を図る教育活動の充実に努めて」と呼びかけた。
このあと、大友教授が「予防的・開発的教育相談の手法について~構成的グループ・エンカウンターを中心に」と題して、講義・演習を行った。エクササイズを通して、「高校では自ら人間関係をつくろうとする行動に移さない生徒もいる。教員が生徒の人間関係をつくるスキルを向上しなければいけない」「ふれあいと自他発見を教員自ら体験し、各校で工夫して取り入れてほしい」と要請した。
安心・安全が確保された生活集団の基盤の上に、学力向上やいじめの防止があることを強調し、SGEの進め方として、①インストラクション(教員の手本とエクササイズの説明)②エクササイズ(思考・感情・行動のいずれかに刺激を与える課題)③シェアリング(感じたり気づいたことを振り返り、伝え合う)―を提示した。
このほか、ジャンケンを取り入れた活動や、自分がどうなりたいかについてペンネームを考えて語るエクササイズなどを行った。
後半は、ネイパルで行っている人間関係づくりに関するエクササイズを体験。人間関係づくりの能力の育成を図る教育課程の工夫改善について講義した。
※用語解説
▽構成的グループ・エンカウンター(SGE)=リーダーの指示した課題をグループで取り組み、その際の気持ちや本音を率直に語り合うことで、徐々に互いを認め合う体験を深めるもの。
(道・道教委 2015-12-21付)
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