学校力向上シンポジウム開く 全教員の共通理解不可欠 学習・生活規範等で道教委指定3校
(道・道教委 2015-12-15付)

学力力向上シンポジウム
学校力向上シンポジウム

 【旭川発】道教委「学校力向上に関する総合実践事業」指定校の旭川市立大有小学校(川島政吉校長)は七日、同校で「石狩花川小・函館八幡小・旭川大有小学校力向上シンポジウム」を開催した=写真=。「学習規範・生活規範・指導の共通化」「若手教員の育成」をテーマに、同事業の指定校三校が自校の実践を紹介。同校や近隣校などから五十二人が参加し、学校力向上に向けた効果的な取組を共有した。

 シンポジウムは、同事業に加え、道教委の地域連携研修事業の一環として開催。学校力向上に取り組んできた石狩市立花川小、函館市立八幡小、大有小の三校の実践を共有し、近隣校の取組の充実を図ることをねらいとしている。

 パネリストとして、花川小の鈴木大助教諭、八幡小の髙村幸子教諭、大有小の高橋憲嗣教諭が登壇。コーディネーターは上川教育局義務教育指導班の石山輝指導主事、助言者は同班の遠藤直俊主査が務めた。

 はじめに、「学習規範・生活規範・指導の共通化」をテーマにパネリスト三人が自校の取組を発表した。

 大有小では「そろえる指導」、八幡小は「八幡八策&八幡スタンダード」、花川小は「花川小シップモデル」をそれぞれ定め、学力向上の方策や学習規範、指導方法などを共通化した。全教員で共有し、学校改善を推進。三者は学力向上などの成果がみられたことを報告した。

 石山指導主事は「学習規範・生活規範を共通化させていく上でのポイントは?」と質問。三者は共通化の目的を全教員で理解することの大切さを強調していた。

 遠藤主査は「三校ともネーミングを工夫するなど、先生方の方向を一つにしている。大切なのは、誰でも分かる取組として落とし込むこと」と講評。今後の課題として、小中連携を見据え進学先となる中学校との学習規範の整合を挙げた。その上で、義務教育九年間を見通した子どもの姿を共有した学校づくりを推奨した。

 続いて、「若手教員の育成」をテーマに三人が実践を紹介。初任者などの若手教員を中堅~ベテランがサポートする「メンター研修」をチームで進めていることなどを説明していた。

 発表後、石山指導主事はメンター研修を機能させるポイントについて尋ねた。三者は若手教員の悩みを先輩教員が聞いてアドバイスするなどして、自信をもたせることの大切さを説いた。

 遠藤主査は研修をする上で、各年代をつなぐことの大切さに言及。①コーチング②ロールモデル③カウンセリング④フレンドシップ―の四つの視点から若手教員を指導するよう求めた。

 おわりに、川島校長が閉会あいさつ。若手教員の成長をサポートする体制整備の重要性を指摘。「今回のシンポジウムは全道で初の試みで、このような機会はなかなかないと思う。本シンポジウムで学んだことを各学校の取組に生かしてほしい」と呼びかけた。

(道・道教委 2015-12-15付)

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