札特協が第2回研修会開く 合理的配慮への理解深化 札幌市教委相談員が講演
(関係団体 2015-12-21付)

札特協第二回研修会
札特協第2回研修会

 札幌市特別支援学級設置学校長協会(森雅彦会長)は十六日、市内のちえりあで第二回研修会を開催した。札幌市教委教育推進課学びの支援係の南舘こずえ合理的配慮相談員が「特別支援教育における“合理的配慮”の理解」と題して講演。参加者は合理的配慮に対する理解を深めていた=写真=。

 冒頭、森会長があいさつ。障害者差別解消法が二十八年四月に施行されることにふれ、「どの範囲が合理的配慮なのかを明らかにすることで、自信をもった対応につながる」と述べ、実り多い研修となるよう呼びかけた。

 続いて、南舘氏が「特別支援教育における“合理的配慮”の理解」と題して講演。札幌市立学校職員における対応要領について策定する背景を説明したほか、対象とする学校や子どもについて紹介した。

 合理的配慮の考え方については、障がいのある子どもおよび保護者から「教育内容・方法」「支援体制」「施設・設備」について相談があった場合に、「子どもの性別」「年齢」等に応じて、学校等に過重な負担のない範囲で、参加の機会を確保するための変更・調整を行うことと説明した。

 その場合において求められる姿勢として、「学びの場・育ちの場である学校等では、障がいの有無にかかわらずすべての子どもの学びが保障されるという視点に立って判断すること」などを示した。

 合理的配慮については、「特別支援学級と通常学級との差を埋めるものではなく、あくまて参加を確保するために行うもの」と説明。事前的改善措置については、「合理的配慮を的確に行うための環境を整備することで、学校等が整備するものだけではなく、学びのサポーター活用事業など、市教委が整備するものも含まれている」と紹介した。

 このあと、視覚障がい(弱視)のある中学生・Aさんにおける合理的配慮の例を説明。Aさんと保護者から「黒板の文字が見えにくい」と相談があったあと、特に赤いチョークで書いた文字が認識しにくいなど、Aさんの社会的障壁を確認した。

 その上で、合理的配慮として、板書のチョークの色を制限したほか、黒板が見やすい位置に座席を変更した。また、校内学びの支援委員会で、支援内容の検討や合理的配慮の支援内容を職員間で共有するなど、事前的改善措置についても説明した。

(関係団体 2015-12-21付)

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