全日本小学校管楽器教育研究北海道大会 豊かな心・確かな力育む 管楽器活用した授業づくり充実へ
(関係団体 2015-12-24付)

管楽器教育研音楽集会
小学校管楽器教育研究大会―音楽集会

 「豊かな心・確かな力を育む音楽科の学習~子どもの思いを広げる管楽器との出あい」をテーマに、第二十二回全日本小学校管楽器教育研究大会北海道大会・第七回北海道小学校管楽器教育研究大会札幌大会が十一日、札幌市立山鼻小学校(渡辺元校長)で開かれた。全国から約百三十人が参加。管楽器を活用した授業づくりの充実に向け、音楽集会や公開授業、授業分科会、全体会などを通して、研究主題に迫った。

 主催は、全日本小学校管楽器教育研究会・道小学校管楽器教育研究会(道小学校スクールバンド連盟)。道小学校管楽器教育研究会札幌支部が主管。

 はじめに、山鼻小の全児童による音楽集会「歌声 JUMP UP!集会」を開催。司会進行は、同校児童会事務局の児童が担当。「私たち“山鼻っ子”は、児童会の目標を“JUMP UP”と決めて、ことし一年、いろいろなことに頑張ってきました。運動会や学習発表会などの行事、あいさつや全校合唱など“JUMP UP”してきました。きょうは、この歌声を全国から来ていただいた先生方に聴いていただきましょう。体育館いっぱいに歌声を響かせましょう」と元気よくあいさつした。同小スクールバンドの伴奏にのせて、全校朝会で取り組んできた二曲を全児童が合唱。最初に、「歌えバンバン」を手拍子で、体を動かせながら、元気に楽しく歌い上げた。さらに、「音楽のおくりもの」を披露。体育館いっぱいにひろがる歌声に、参観者から大きな拍手が送られた。

 このあと、山鼻小五年一組・本多隼人教諭が「音色の特長を生かして~音楽で名刺をつくろう」、福住小五年二組・西館裕巳教諭が「音色の移り変わりをとらえて~目指せ!音楽ソムリエ」と、音楽づくりと鑑賞の授業を公開。

 続く全体会では、全日本小管研の原井栄一会長(奈良県平群町立平群南小学校長)があいさつ。「本研究会は、小学校における管楽器を活用した音楽表現の充実、進展を目指すとともに、管楽器とのかかわりを通して、学習指導要領に示されている子どもたちに身に付けさせたい力を育むために設立された」などと述べ、大会の成果に期待を込めた。

 続いてあいさつした大会長で、道小管研の菅井留美子会長(札幌市立山鼻南小校長)は「管楽器に興味を深めながら、思いや意図をもって音楽を表現したり、想像力を働かせながら音楽を聴いたりするなど、子ども一人ひとりが感性を豊かに働かせながら主体的に活動に取り組み、確かな力を育む音楽活動を展開していくと考え、授業研究に励んできた」と述べ、今後の研究に向けて、きたんのない意見を求めた。

 さらに、札幌市教委の松田昌樹児童生徒担当部長が祝辞。「今後、活動を通して、札幌の、全国の子どもたちが上質な音楽に出会い、音楽を楽しみ、音楽が好きになり、音楽とかかわり続けながら、豊かな人間性が育まれることを期待する」と呼びかけた。

 このあと、北海道大会の佐藤幸平研究部長(札幌市立手稲宮丘小教諭)が大会の研究の概要について、①音楽科のねらいをとらえた教材化や学習展開②子どもの思いや願いが明確となる教師のかかわりと評価―という二つの視点に重点を置き、「豊かな心、確かな力という音楽科の学習活動の両輪を意識した実践を行うことで、子どもたちの音楽を愛好する心情や音楽に対する感性を伸ばしていきたい」との考えを示した。

続いて、国立教育政策研究所教育課程研究センター研究開発部教育課程調査官・文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官の津田正之氏が講評。音楽集会について、「子どもたちの歌声に圧倒された。子どもたちの気持ちがしっかりとつながっていると思いながら聴かせていただいた」と評価。また、公開授業については、「生活の中には、いろいろな音や音楽があって、生活を豊かにしてくれている。そのことに気づかせることが授業の視点にあった」などと述べた。

(関係団体 2015-12-24付)

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