第43回道南音楽教育研究大会函館大会 表現工夫し生きる力育む 100人が授業公開や講演等で研鑚
(関係団体 2015-12-22付)

道南音楽研音楽集会
道南音楽教育研究大会―音楽集会

 【函館発】道南音楽教育研究協議会(笠島美教会長)は十一月中旬、函館市内で第四十三回道南音楽教育研究大会函館大会を開催した。約百人が参加。市内小・中・高校で行われた授業公開や研究協議、講演会などを通して、教員としての資質能力向上を図った。

 同協議会は、道南地区の小・中・高校の各音楽研究会で組織。音楽教育の実践・研究を通して、会員の資質向上を図るため、毎年、研究大会を開いている。

 午前は、市内小・中・高校で、授業公開や研究協議を実施。午後は、市内のホテルに会場を移し、講演会を行った。全道各地から約百人が参加した。

 函館市立亀田中学校(青木完二校長、生徒数六六五人)では、公開授業に先立ち、体育館で全校生徒による「音楽集会」が行われた=写真上=。

 青木校長は「大規模校ならではの合唱の力を聞いて」とあいさつした。生徒たちは、学年ごとの合唱に続いて、全校合唱「アイーダ」第二幕第二場を発表。日ごろの練習とまとまりの成果に、参加者から大きな拍手が沸き上がった。

 授業は小学校二校、中学校二校、高校一校が公開。うち、函館市立高丘小学校五年二組「豊かな表現を求めて」(野原一郎教諭)では、表現・器楽の授業を行った=写真下=。

 題材の目標は、①拍の流れにのって、フレーズや旋律の流れ、パートの役割を生かして表情豊かに表現する②ときの移ろいや自然などの情景を想像しながら、拍の流れにのって表現する―の二点。本時の目標を拍の流れにのって、フレーズや旋律の流れ、パートの役割を生かして表情豊かに表現すると設定した。

 はじめに、児童たちは、前時までの学習を意識して、リコーダーで「風とケーナのロマンス」を合奏。野原教諭は、事前に聞き取った「もっともっと!アンケート」の結果を提示しながら、児童たちの発言を引き出し、本時のめあてを提示した。

 八分の六拍子を視覚的に見せるためにリトミック・スカーフを使用し、児童たちは音楽に合うように動くなどして演奏を繰り返した。

 最後に、授業最初の演奏と最後の演奏を聞き返し、めあてや工夫したことを振り返った。

 開会式では、笠島会長があいさつ。研究大会が、小・中・高校の授業参観を通して、連携や連続性を重視していることを挙げ、「音楽で表現する活動を工夫することが、生きる力の育成につながるのでは」と述べた。

 続いて、「これからの音楽教育で大切にすべきこと」と題して、文部科学省初等中等教育局教育課程課の津田正之教科調査官、臼井学教科調査官が講演した。

 来年度は、同協議会が主管して全日本音楽教育研究会全国大会函館・道南大会小中学校部会・高校部会を二十八年十一月一日、二日、函館市において開催する予定。

この記事の他の写真

道南音楽研表現授業
道南音楽教育研究大会―表現・器楽授業

(関係団体 2015-12-22付)

その他の記事( 関係団体)

道高校長協会石狩支部が研修会開く 危機管理意識を高めて 道研・西崎所長の講話も

道高校長協会研修会  道高校長協会石狩支部(大山節夫支部長)は十四日、ホテルライフォート札幌で二十七年度研修会・研究協議会を開催した=写真=。いじめや体罰防止について情報交換したほか、道立教育研究所の西崎毅所長...

(2015-12-25)  全て読む

丸山君、森さんが最優秀 道地区高校生中国語発表会開く

高校生中国語発表会  高校中国語教育研究会道支部と道高校中国語教育研究会は十三日、札幌市内の北海商科大学で第十二回道地区高校生中国語発表会を開いた=写真=。初級の部、入門の部に全道八校から合わせて三十九人の生徒...

(2015-12-24)  全て読む

桧山校長会が第2回理事研開く 戦略的・組織的な活動を 行政施策や活動状況など確認

桧山校長会理事研  【江差発】桧山校長会は十一月下旬、乙部町民会館で第二回理事研修会を開催した=写真=。役員や理事十七人が参加し、道教委担当者から行政説明を聞いたほか、専門部による活動中間報告を受けた。大村会...

(2015-12-24)  全て読む

全日本小学校管楽器教育研究大会で山鼻小5年1組が授業公開 自分のジングルをつくろう ゲストティーチャーが生演奏

管楽器教育研山鼻小公開授業  第二十二回全日本小学校管楽器教育研究大会北海道大会・第七回北海道小学校管楽器教育研究大会札幌大会(十一日、札幌市立山鼻小)では、山鼻小五年一組・本多隼人教諭が「音色の特長を生かして~音楽で...

(2015-12-24)  全て読む

全日本小学校管楽器教育研究北海道大会 豊かな心・確かな力育む 管楽器活用した授業づくり充実へ

管楽器教育研音楽集会  「豊かな心・確かな力を育む音楽科の学習~子どもの思いを広げる管楽器との出あい」をテーマに、第二十二回全日本小学校管楽器教育研究大会北海道大会・第七回北海道小学校管楽器教育研究大会札幌大会が...

(2015-12-24)  全て読む

道中26年度退職校長の動向調査結果 再就職先は教委関係が39人 教育関連の情報求める声も

 道中学校長会(小西俊之会長)は、二十六年度に退職した中学校長の動向調査結果をまとめた。退職後、再就職が六十六人で、再任用が九人、就職をしていないのは九人。再就職先は教育委員会関係が三十九人...

(2015-12-22)  全て読む

道公立学校事務長会が第2回理事研 各部活動状況など確認 次年度以降要望・提言で協議

事務長会理事研  道公立学校事務長会(永井進会長)は十八日、道庁赤れんが庁舎で二十七年度第二回理事研究協議会を開催した=写真=。総務部や調査研究部の活動状況について共通理解を図るとともに、来年度以降の文教施...

(2015-12-22)  全て読む

札特協が第2回研修会開く 合理的配慮への理解深化 札幌市教委相談員が講演

札特協第二回研修会  札幌市特別支援学級設置学校長協会(森雅彦会長)は十六日、市内のちえりあで第二回研修会を開催した。札幌市教委教育推進課学びの支援係の南舘こずえ合理的配慮相談員が「特別支援教育における“合理的...

(2015-12-21)  全て読む

十勝地区国際理解教育研究大会開く 行動力ある児童生徒育成 分科会・実践交流会で研鑚

十勝地区国際理解教育研開会式  【帯広発】十勝地区国際理解教育研究会(鎌田一寿会長)は九日、鹿追町のウリマックホールなどで第三十六回十勝地区国際理解教育研究大会鹿追大会を開催した=写真=。開会式に先立ち鹿追町立瓜幕小学校...

(2015-12-21)  全て読む

十勝地区国際理解教育研究大会 世界とのつながり意識 鹿追町瓜幕中2年社会科を公開

十勝地区国際理解教育研公開授業  十勝地区国際理解教育研究大会(九日、鹿追町)の開会式に先立ち、鹿追町立瓜幕小学校、瓜幕中学校で公開授業が行われた。うち、瓜幕中二年A組社会科「欧米の進出と日本の開国」(掛水成幸教諭、生徒数...

(2015-12-21)  全て読む