学び・育ちを支え、つなげ　高相研が第４４回研究大会開く

（関係団体 2016-01-14付）

高相研研究大会

　道高校教育相談研究会（＝高相研、会長・小林憲雄札幌稲雲高校長）は九日、北海学園大学で第四十四回研究大会を開催した＝写真＝。研究主題「学びや育ちを見守り、支え、つなげる学校教育相談を目指して」のもと、公私立高校、特別支援学校、小・中学校、専門学校の教諭や管理職、ＰＴＡ関係者など約二百人が参加。講演や講義、実践発表などを通して、生徒指導上の課題解決に向け、教育相談の進め方や考え方、生徒理解の在り方や具体的な対応などについて共通理解を図った。

開会式で小林会長があいさつ。「研究主題“学びや育ちを見守り、支え、つなげる学校教育相談を目指して”のもと、すべての児童生徒を対象に、小・中・高、特別支援学校、さらに、専門学校という校種の枠を超えて、保護者を交え一緒になって学び合う有意義な一日にしていただきたい」と呼びかけた。大会では、これまでの参加者から寄せられた意見・要望、学校が直面する課題を踏まえて、三つの柱をもって基調講演、研修講座、実践発表を行うことを示し、「学校全体で対応できる校内体制を確立・推進する一助になることを願う」などと述べ、大会の成果に期待を込めた。

続いて、神田外語大学教職課程国際コミュケーション学科教授の嶋﨑政男氏が「学校教育相談への期待に応えるために」と題して、基調講演した。

　嶋﨑氏は「教育相談と生徒指導の基本姿勢は同じ」と指摘。「大切なのは子どもの立場で心理的事実を受容・共感し、大人の立場に戻って客観的事実を指導・支援するという姿勢」と述べ、心理的事実と客観的事実を分けて考えることと、指導の順序性の大切さを訴えた。

また、子どもが求める教師像として、「いつもは優しいが、悪いことをしたら厳しくしかってくれる」先生を示し、子どもに“正対”して「見捨てない、だからこそ、決して見逃さない」という姿勢で臨むことが必要と強調した。

さらに、「“聞く”“聴く”“訊く”はみんな“効く”」と呼びかけた。

　講演のあと、①思春期から大人の発達障害の理解と対応②白老東高校の教育相談、特別支援教育の体制について③ストレスマネジメント教育④すべての子ども・若者たちに明るい未来を！～支援・指導から「相互自己実現」の視点への転換⑤学校力を高める教育相談体制を目指して～保護者への対応―をテーマに研修講座を行い、研鑚を深めた。

(関係団体 2016-01-14付)