実践的安全教育モデル案―道教委 「自助」「共助」の意識高揚 避難訓練やロールプレイなどで(道・道教委 2016-01-19付)
実践的安全教育モデル検討会
道教委は、「北海道実践的安全教育モデル」案をまとめた。文部科学省委託事業で、モデル地域の石狩市と江別市が取り組んだ実践をもとに、①防災教育②交通安全教育③防犯教育―のモデル案を提示。モデル案には、教職員の助けがなくても地震や津波から身を守ることができる力を付ける避難訓練を通した「自助」「共助」の意識高揚、PDCAサイクルの中で交通安全に向けた施設の点検・整備や児童生徒の意識・技能を高める教育、地域の防犯体制の点検・改善と地域人材を活用したロールプレイなどを盛り込んだ。推進委員会での検討を経て、二月末までに「安全教育モデル」を決定する。
道教委は本年度、石狩市教委・江別市教委と連携して、文科省委託「北海道実践的安全教育モデル構築事業」に取り組んでいる。
同事業では、防災教育、交通安全教育、防犯教育の指導方法や教育手法の開発・普及、通学時を含めた学校における児童生徒等の安全確保体制の構築・普及、学校外の専門家による指導・助言等を実施。「北海道実践的安全教育モデル」を構築・普及し、学校における安全教育・安全管理の一層の充実を図る。
防災教育と防犯教育は石狩市、交通安全教育は江別市がモデル地域として取り組んだ。
道教委は十四日、道庁赤れんが庁舎で二十七年度北海道実践的安全教育モデル検討会・全道防災教育研究フォーラムを開催。
第一部の道実践的安全教育モデル検討会(第二回北海道実践的安全教育モデル構築推進委員会)=写真=で、石狩市教委と江別市教委の担当者がモデル案を示した。
防災教育については、石狩市立浜益小学校・浜益中学校の取組をもとに、モデル案を提示した。
地震・津波の発生に備えた避難訓練を実施するもの。校内放送設備が破損したとの想定で、J―ALERT(全国瞬時警報システム)を活用するほか、休み時間に訓練を行い、教職員が近くにいなくても、児童生徒が自らの命を守る行動をとれる力を育てるとともに、教職員の緊急時の対応能力向上を目指す。
小学校では、訓練の振り返りの時間を設け、児童の「自助」の意識を高める。また、訓練を公開するなどして、地域住民との連携を構築する。中学校では、「自助」の意識だけではなく、中学生としてできることをグループで協議するなどして、「共助」の意識も高める。
これらのモデルには、地域の実情に即した災害を想定してプログラムの変更などを加えるほか、より実践的な訓練とするために、予告なしの実施も検討する。
交通安全教育については、江別市通学路安全対策実践委員会と市立東野幌小学校・大麻泉小学校の取組をもとに、モデル案をまとめた。
PDCAサイクルを繰り返す中で、ハード面である「交通安全を確保するための体制の構築と合同点検の実施」と、ソフト面の「交通安全の意識や技能を高めるための教育手法等の開発・普及」の大きく二点に取り組む。
ハード面では、教育委員会や道路管理者、警察など関係機関で構成する実践委員会が通学路の合同点検を行う。その際、「子どもは飛び出すもの」との認識に立ち、それを防ぐために何ができるかという視点で通学路の状況をチェック。道路標識設置などの具体的な対策実施につなげる。
ソフト面では、通学路安全対策アドバイザーや警察などと協力して、児童生徒が危険を理解し、安全な歩行等ができるようにする教育手法を開発・普及。外部人材の活用や安全に配慮すべき個所の画像の提示、〝自分事〟として、交通安全の思考・判断を深める学習などに取り組む。
防犯教育については、石狩市立南線小学校の取組などをもとに、モデル案を提案した。
事故防止アドバイザーを委嘱。その指導・助言のもと、児童生徒の安全を確保するシステムをチェックし、必要な改善を進めるもの。
校区内のフィールドワークを行い、「子ども110番の家」などの状況を把握するとともに、不審者出没等の情報を収集。「自己点検シート」でチェックし、改善策に取り組む。
学校では、防犯や日常生活の事故等を防ぐ能力を高める教育を実施。実際に起こった事件をもとにした事例の画像提示、地域人材を活用し、地域とのつながりを意識したロールプレイ学習などを盛り込む。
これらのモデル案については、推進委員会で検討。二月末までに「安全教育モデル」として決定する。
(道・道教委 2016-01-19付)
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