教育展望札幌セミナー開く 活動の見直しと実践を アクティブ・ラーニングの視点で(関係団体 2016-01-19付)
教育展望札幌セミナー
一般財団法人教育調査研究所(新井郁男理事長)は九日、ホテルポールスター札幌で第二十二回教育展望札幌セミナーを開いた=写真=。研究主題「これからの社会に求められる資質・能力~グローバル化社会に向けた北海道教育の改善」のもと、理論提案や実践提案、研究協議を通して、アクティブ・ラーニングを視点に、教育活動の見直しと確実な実践に取り組む必要性などを確認した。
約百七十人が参加したセミナーでは、教育調査研究所の保川昌弘常務理事が開会あいさつ。次期学習指導要領改訂に向け、「論点整理をどう読み解いていくかが、次期学習指導要領全体の流れをとらえると同時に、日本の教育のこれからの方向性をとらえるという意味で重要」と述べるとともに、学習指導要領告示の際には、「総則」を十分読み込む必要があると指摘した。
また、「学習指導要領全体の流れをみて、教科相互の関連性を十分理解することで、個別の教科についての理解が増す」と述べた。
理論提案Ⅰ「二十一世紀を生き抜く資質・能力をどう考えるか」を行った神奈川大学特別招聘教授の安彦忠彦氏は、自身が座長を務めた「育成すべき資質・能力を踏まえた教育目標・内容と評価の在り方に関する検討会」の検討内容などを説明。アクティブ・ラーニングの導入について、「表面的かつパターン化されたものにならないように留意する必要がある」などと述べた。
続いて、国立教育政策研究所初等中等教育研究部総括研究官の松尾知明氏が、理論提案Ⅱ「これからの社会で求められる資質・能力の育成に向けて~授業デザインへの三つの提案」を行った。
松尾氏は、カリキュラム・マネジメントを進める際の留意点として、「学校・学級で育みたい資質・能力像は、教育目標として機能しているか」「資質・能力を育成するためのアクションプランが具体化されているか」「PDCAのサイクルは動いているか」「教育目標の達成に向けて組織的に取り組んでいるか」を挙げた。
また、アクティブ・ラーニングの進め方として、「内容と資質・能力を学習活動でつなぐ」「思考力・学び方・学び合いを育む」ことをポイントとして示した。
さらに、評価の考え方として、「パフォーマンス課題を活用する」「評価計画を立て、ポートフォリオをつくる」「客観的な評価を目指し、ルーブリックを活用する」ことを挙げた。
教育調査研究所研究部長の寺崎千秋氏は「アクティブ・ラーニングの授業づくりとカリキュラム・マネジメント」をテーマに、理論提案Ⅲを行った。
寺崎氏は、現行学習指導要領の中に、アクティブ・ラーニングの考え方がすでに盛り込まれていることを指摘し、「あらためて全教育活動を、アクティブ・ラーニングの視点で見直すとともに、その確実な実施と活動の質を高めることが今、求められていることを確認する必要がある」と述べた。
そのためのチェックポイントを挙げるとともに、アクティブ・ラーニング指導の力量を高める取組がカリキュラム・マネジメントと一体となっていることを示した。
実践提案では、網走市立白鳥台小学校教諭の神田秀樹氏が「心を耕し、学びの種をまく学校の創造~家庭・地域と連携した教育課程と道徳科への授業改善」と題し、アクティブ・ラーニングを取り入れた道徳授業の改善などの取組を発表した。
午後からは、「求められる資質・能力を育成する授業像・学校像」をテーマに研究協議を行った。
(関係団体 2016-01-19付)
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