上川局が独自に道徳教育ステップアップ研修会　教科化見据えた指導を　講義・説明で授業づくり理解

（道・道教委 2016-01-21付）

文部科学省事業の一環で開催

　【旭川発】上川教育局は十五日、上川合同庁舎で局独自の企画として、管内道徳教育ステップアップ研修会を開いた＝写真＝。文部科学省「道徳教育の抜本的改善・充実にかかる支援事業」の一環。小学校学習指導要領解説道徳編の作成に協力し、数多くの教育論文・著書を執筆した茨城県石岡市立府中小学校の齋藤眞弓教諭が講師を担当。管内から六十九人が参加し、改正学習指導要領の全面実施を見据えた道徳教育について理解を深めた。

　同研修会は、管内における道徳教育の質向上のため、今後求められる道徳教育の在り方や道徳の時間の授業の改善・充実について理解を深めることがねらい。道徳教育推進教師以外の教員にも研修の機会を設けようと、局が独自に企画した。

　はじめに、齋藤教諭が「子どものための道徳授業をどうつくるか　子どもと教師ともに楽しむ授業をつくる」と題して講義。道徳教育における近年の動向について、教育再生実行会議や中央教育審議会の動向を交えて解説した。

　また、現行の学習指導要領と改正学習指導要領の道徳における記述を参加者同士で比較させた。齋藤教諭は表記の違いについて、「現場の先生方が評価しやすいよう文言を変更している」と説明した。

　つぎに、道徳の授業改善・充実について説明した。義務教育九年間の取組の中で道徳的実践力を育てるため、年間指導計画に基づいて実行することの大切さを強調。指導内容項目と授業を照らし合わせて、ズレが生じないように、ねらいとする道徳的価値を分析しておくよう求めた。

　そのため、授業者自身が道徳的価値について解釈し確認する「価値分析表」の作成を推奨。「友情」「誠実」などの道徳的価値を平易な言葉に置き換えてねらいを焦点化するとともに、児童の日常の姿や資料と重ね合わせて分析するよう説いた。

　午後からは、教材分析の実際など道徳の時間の授業づくり、各学校の道徳教育の推進状況について参加者で協議した。

(道・道教委 2016-01-21付)