4団体4個人、栄に浴する 空知局が27年度管内教育実践表彰式挙行(道・道教委 2016-02-29付)
松山局長が表彰状を授与
【岩見沢発】空知教育局は二十三日、空知合同庁舎四階講堂で二十七年度管内教育実践表彰の表彰式を執り行った=写真=。松山拓男局長が受賞を受けた三校一団体四個人に表彰状を手渡し、受賞者の功績をたたえた。
表彰は、昭和四十二年度から実施しているもので、管内における学校教育・社会教育の実践活動等において実績が顕著な個人および団体を表彰し、管内の教育振興を図ることが目的。
本年度は、沼田町立沼田小学校、沼田町立沼田中学校、岩見沢農業高校、布遊具・布絵本製作サークル「ぷちパンプキン」、太田伸裕氏(滝川市立江陵中学校教諭)、藤田秀樹氏(滝川高校教諭)、西田雄三(雨竜高等養護学校教諭)、高橋慎氏(特定非営利活動法人雨煙別学校理事)が栄誉に輝いた。
表彰式では、はじめに松山局長があいさつ。「これまで積み上げられた皆さんの活動は、ふるさと空知の教育活動の担い手として管内教育の充実に大きく寄与した」とたたえた。「今後、皆さんの優れた実践が管内の多くの地域に受け継がれ、空知の教育がさらに充実・発展することに期待している」と述べた。
このあと、受賞者一人ひとりに表彰状を授与し、栄誉をたたえた。
続いて、来賓を代表して空知管内市町教委連教育長会の松山徹会長(月形町教委教育長)があいさつ。受賞者の栄誉をたたえるとともに、「これからも自らの仕事や実践に誇りをもって、空知教育の発展に尽力してほしい」と呼びかけた。
最後に、受賞者を代表して岩見沢農業高校の西田丈夫校長が登壇。「表彰を次年度以降の活動の糧としてそれぞれの立場で実践に励み、ひいては空知の教育の発展・振興に尽力したい」と話した。
◆受賞団体・個人の功績概要
受賞者の功績はつぎのとおり。 =敬称略=
【学校】
▼沼田町立沼田小学校(元木和芳校長、児童数一三一人)
▼沼田中学校(小川勉校長、生徒数七二人)
教育委員会、幼稚園、小・中学校教員が一堂に会する「一貫教育全体会議」で作成した「目指す子ども像“沼田っ子の十六歳の姿”」の実現に向けて、各学校の段階における指導内容の工夫・改善に努め、大きな成果を挙げている。
特に、道教委の小中連携・一貫教育実践事業の実践指定校として学校教育目標の具現化に向け、「九年間の系統性を明らかにした指導計画の作成」「小・中学校の合同研修会の実施」「教科の専門性を生かした乗り入れ授業の実施」などの連携推進の具体的な取組を組織的に推進していることは高く評価されている。
また、小・中学校の円滑な接続を図るため、地域の伝統行事「夜高あんどん祭り」を教材とした地域学習を小・中学校で一貫して行うなどの連携した教育活動の充実を図る取組は、小・中学校の全教職員はもとより、保護者・地域住民等と目的意識を共有し、学校・家庭・地域総がかりで子どもを育てる実践として賞賛されている。
▼岩見沢農業高校(西田丈夫校長、生徒数八一七人)
明治四十年に北海道庁立空知農業学校として開校し、「自己の能力に自信を持ち、生きがいを感じ、明るく豊かな生活と社会を築くことのできる人間を育てる」ことを学校の教育目標に掲げ、管内だけではなく、全道各地域において次代の農業および農業関連産業を支える人材育成の推進に大きな成果を挙げている。
特に、文部科学省指定スーパーサイエンスハイスクール事業における大学や研究機関等との連携での先進的な農業教育、積極的な国際交流による国際性を高めるための取組は、生徒の課題解決能力・論理的思考力、世界に貢献する国際性、持続可能な農林業を再生する科学技術力を高める教育実践として高く評価されている。
また、岩農食農塾における小学生への食育指導、「いわみちゃんマルシェ」との連携による販売学習、北海道環境学習フェアにおける中学生への実験指導など、地域と連携した教育活動は学習成果を地域社会へ還元する実践として賞賛されている。
【団体】
▼布遊具・布絵本製作サークル「ぷちパンプキン」(小島雅子代表、会員数七人)
本サークルは、子どもたちの豊かな心を育み、本を読む楽しさを広めることを目的に、秩父別町図書館や小学校・認定こども園などでの人形劇公演や学校の昼休み時間を利用した絵本の読み聞かせ会を定期的に開催するなど、子どもたちの読書活動の推進に大きな成果を挙げている。
特に、布遊具や布絵本などを自ら製作し、作品を通じて手作りの温もりやお話しの楽しさを身近に感じてもらいたいと続けてきた活動は、地域の子どもたちに対する継続した社会教育活動として、高く評価されている。
また、八年にわたる地域と密着した活動は、図書館、学校、こども園等との連携・協力がなされ、地域住民の間にも理解が広がっており、町の社会教育を実践する団体として賞賛されている。
【個人】
▼太田伸裕(滝川市立江陵中学校教諭)
太田教諭は、空知教育センター「豊かな心を育む道徳教育の在り方」の課題研究協力員(委員長)や、滝川市道徳教育推進事業道徳教育研究員(委員長)、空知教育センター研修講座「豊かな心」の講師等を歴任し、共感的理解に基づく「道徳の時間」の実践を通した道徳的実践力の育成を図る取組の推進に努め、管内の道徳教育の充実に大きな成果を挙げている。
特に、道道徳教育推進委員として、作成を担当した指導資料「北海道道徳教育Webプログラム」の「いのち(生命尊重教育プログラム)」は、各学校における道徳教育の工夫・改善に資する実践資料として高く評価されている。
また、教科指導においては、二十六年度に巡回指導教員として若手教員に対し、生徒の課題を分析・考察して指導方法の改善を図る取組を積極的に指導するなど、地域の教育力の向上に真摯に取り組む姿勢は、他の教職員の模範として賞賛されている。
▼藤田秀樹(滝川高校教諭)
藤田教諭は、理科(専門地学)担当教諭として、校内外で多様な実践研究に取り組み、全道の理科教育の充実に貢献するとともに、その成果を、授業やスーパーサイエンスハイスクール事業における、生徒の興味・関心の喚起に効果的に活用するなど、学校全体の授業改善の推進に大きな成果を挙げている。
特に、二十二年度、二十三年度、二十七年度に道教委主催の授業実践セミナーにおいてワークショップ(地学)を担当したほか、二十年度には道高校理科研究大会での研究奨励賞受賞、二十一年度には原子力・放射線に関する教職員セミナーにおける実践発表、二十五年度、二十七年度には旭川市科学館主催のサイパル理科研修会の講師を務めるなど幅広く活躍し、その取組は高く評価されている。
また、二十六~二十七年度には管内の小学校理科校内研修支援員を務めるなど、地域の理科教育の質の向上に積極的に寄与しながら、授業および研究活動にも真摯に取り組む姿勢は、他の教職員の模範として賞賛されている。
▼西田雄三(雨竜高等養護学校教諭)
西田教諭は、管内特別支援教育連携協議会において、長年にわたり専門家チームの委員として、管内版「個別の教育支援計画スタートシート(改訂版)」、および管内版相談支援マップ「ちょっとひらいて」の作成、障がいのある子どもや保護者の巡回相談に携わるなど数多くの役割を担い、管内における特別支援教育の充実に大きな成果を挙げている。
特に、相談業務においては、心理検査や行動観察から的確にアセスメントを行うとともに、保護者に対するカウンセリングの技法を用いた傾聴や受容する姿勢は、管内の特別支援学校コーディネーターの中でも、高く評価されている。
また、当該校においては、心理検査結果に基づく児童生徒の障がい特性の理解や解釈について、中心的な役割を果たす存在として、中堅教諭やこれからの相談業務を担う若手の特別支援教育コーディネーターとともにきめ細かな分析を行う姿勢は、他の教職員の模範として賞賛されている。
▼高橋慎(特定非営利活動法人雨煙別学校理事)
高橋氏は、昭和六十年七月、栗山町民憩いの公園「御大師山」で豊かな自然環境の象徴「国蝶オオムラサキ」を発見し、以来三十年途切れることのないふるさと愛で自然環境保護・保全活動や地域教育・ふるさと教育の推進によって、地域に根ざした教育活動に実践的で多大な貢献を続け、大きな成果を挙げている。
特に、「川体験学習」等を学習指導要領に基づく教育課程に組み込むことができる教育プログラム化に尽力し、学校教育、社会教育でも活用できる「ふるさと自然体験プログラム集・指導事例集」は、町内外の小中学校の教科や総合的な学習の時間等の年間指導計画に採用され、子どもたちのふるさと体験学習を拡げる取組として、高く評価されている。
また、高橋氏の事業展開は、町民のふるさと意識を高揚させるとともに、子どもたちがふるさとを大切にし、ふるさとの良さを継承しながら、人として成長することを願う企業・官民からも協力を得ているボランティア活動として賞賛されている。
(道・道教委 2016-02-29付)
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