後志町村教委協議会がセミナー　望ましい読書習慣定着へ　講義や実践発表、協議など

（関係団体 2016-03-01付）

しりべし子どもの読書セミナー

　【倶知安発】後志町村教委協議会（菊地亮会長）は二月十八日、蘭越町民センターで社会教育推進事業「しりべし子どもの読書セミナー」を開催した＝写真＝。教委担当者、読書ボランティア、学校図書館担当職員など関係者二十五人が参加し、講義や実践発表、協議を通して、子どもの読書活動推進について考えた。

　セミナーは、公立図書館と学校図書館の連携の進め方や、図書館による学習支援の意義と可能性について考えを深めることなどを目的としている。

　開会に当たり、主催者を代表してあいさつした蘭越町教委の首藤一幸教育長は「子どもの望ましい読書習慣の定着に向けて、引き続き、学校・家庭・地域社会が一体となった活動の推進が必要。きょうの成果を今後の活動に生かしてほしい」と述べた。

　続けて、前千歳市立北陽小学校長の池川良一氏が「読書の好きな子どもを育てるために～学校・司書教諭・公立図書館の連携を通して」と題して講義した。

　池川氏は、二十六年二月公表の「学生生活実態調査」で読書時間ゼロの大学生が四割を超えていたことや、二十五年八月に厚生労働省がネット依存の中高生が推計五十一万八千人いると公表したことなどを引き合いに出し、「瞬時に情報が得られる時代だからこそ、情報を判断する思考力が大事になる。そのために、出会った作品と自分との心の対話や葛藤で思考が深まる読書の習慣はとても大事なこと」とした。

　その上で、「学校現場で、子どもたちの言語活動の最重点は読書であり、その中核が学校図書館。学校や学校図書館が読書推進の拠点とする視点も大事」と強調した。

　また、本好きな子どもにするための有効な取組として、読み聞かせや音読、スタンプカード作戦、おともだち作戦、ブッククラブ作戦などを取り上げたほか、学校・家庭・図書館の連携で読書習慣を定着させている実践例を紹介した。

　このあと、蘭越町コミュニティプラザ花一会嘱託職員で学校図書館巡回派遣事業担当の若林由美子さんが「まちの図書施設の学校支援について」をテーマに実践発表したほか、「子どもの読書活動推進に向けた、公立図書館と学校図書館の連携について」を議題に、参加者全員で子どもにとって一番身近な拠点である公立図書館と学校図書館、読書ボランティアが効果的に連携・協働していく方策について考えた。

(関係団体 2016-03-01付)