組織拡大、最重要課題に　北教組が第１１９回中央委員会開催

（関係団体 2016-03-01付）

当面闘争推進・スローガンを決定

　北教組は二月二十五日、札幌市内の道教育会館で第百十九回中央委員会を開催した＝写真＝。当面闘争推進・スローガンを決定したほか、特別決議も採択。「教え子を再び戦場に送らない」の誓いのもと、ゆたかな教育を創る道民運動を強力に展開するとともに、「一千人組織拡大運動」を最重要課題として取り組むこととした。あいさつに立った小関顕太郎中央執行委員長は「幅広い観点からの主権者教育の確立が求められている」と平和主義・国民主権、立憲主義の大切さを呼びかけた。

　開会に当たり、小関委員長は、国内における不登校児童生徒や居所不明児童、生活保護・就学援助受給者の増加などを憂慮し、教育格差が広がっている現状を指摘。「子どもたちが巣立っていく社会は、非正規労働者が増加し、ブラックバイトやブラック企業によって労働法制が破壊されている。法・政治・労働・市民・消費者・メディアリテラシーなど、幅広い観点からの主権者教育の確立が求められている」と訴えた。

　さらに、平和主義・国民主権、立憲主義の大切さにもふれ、「これまでの運動の積み重ねから、未組織者、教え子、若者、保護者、地域に働きかける〝結集と拡大〟を意識しなければいけない」と、民主教育推進の担い手として行動を起こすよう呼びかけた。

　このあと、連合北海道の出村良平会長、道私教協の川又英弘執行委員長、道労働者福祉協議会の山上潔副理事長などの来賓があいさつ。川又委員長は、「自由に明るく生きられる平和な社会、楽しく伸びやかに学べる自由な学校が必要」と平和国家日本を次世代に引き継ぐよう期待した。

　議事に移り、「当面闘争推進ならびにスローガンに関する件」を一括提案。中では、「全国学力・学習状況調査」の結果公表について、「全教科・全領域の結果を全国平均と比較するとともに、各管内の平均正答率を全国・全道および上位県の平均と比較した。これは、学力をテストの点数に矮小化し、全国平均や上位県との比較に始終して、一層競争と序列化をあおるもの」とし、抗議声明を発したことを報告。「全国学力調査・向上策」の中止・撤回に向けて、日教組に文科省交渉を一層強化するよう働きかけるとともに、地域や保護者に理解と協力を求める対話運動を進めることとした。

　学校教育法等の改正に伴い設置可能となる「義務教育学校」については、「新しい学校種の創設は、義務教育を複線化し、差別・選別をすすめ、教育の機会均等を侵害するもの」「免許取得やそれに伴う過度の負担、勤務条件の変更を余儀なくされるなどの問題を危惧している」と指摘。「義務教育学校」の問題点について学習を深め、自治体に対し、地域・保護者・教職員の意見を尊重し、一方的な導入を許さないよう取り組む。

　さらに、「学習指導要領」の批判学習や「学力向上策」に基づく画一化した管理教育の押し付けに対峙し、「抵抗と創造」の自主編成運動を基盤に教育研究活動を活性化していくこととした。

　また、主任制を踏み込ませないたたかいと一体的に、子どもの貧困と格差を解消するため、二〇一四年度に引き続き、①給付型奨学金事業②被災地支援事業③子どもと保護者のための電話教育相談室事業―など「主任手当の社会的還元」に取り組み、主任制度の問題点と制度撤廃の必要性について道民に訴えたことも報告。給付型奨学金事業の給付数を二十人拡大し、三百人としたことを示した。

　最後に、「憲法改悪を許さず、戦争法撤廃をめざし、子どもの人権と民主教育を守るため、組織一丸となって衆議院五区補欠選挙、第二十四回参議院選挙の勝利をめざす特別決議」を採択した。

(関係団体 2016-03-01付)