札教組が年次大会　組織力向上へ８方針採択　２０１６年度の運動方針決定

（関係団体 2016-03-01付）

運動方針を決めた年次大会

　札幌市教職員組合（＝札教組）は二月二十二日、道教育会館で二〇一六年度年次大会を開催した＝写真＝。スローガン「教え子を再び戦場に送らない」のもと、本年度の〝たたかい〟を総括するとともに、来年度の運動方針等を協議。「組織力の向上を図る取組を進める」など、八つの方針を掲げた大会宣言も採択した。また、役員改選も実施。筒井比呂志委員長を再任したほか、新副委員長に上野幌東小学校の岡村孝一氏と南月寒小学校の竹内有美氏を選任した。

　「緑の山河」を斉唱したあと、筒井委員長があいさつ。三十五人以下学級の見送りや高校無償化への所得制限導入、道徳の教科化など、政府や文部科学省の動向にふれ、「現場を無視したトップダウンの“教育改革”は、学校現場の混乱を招くだけではなく、子どもたちの豊かな学びを阻害することになる」と指摘した。

　あらゆる差別を許さず、平和で平等な社会の実現を目指すため、「子どもを中心に据えた教育活動や自主・自律の学校づくり、憲法・子どもの権利条約・札幌市子どもの権利条例の理念に基づく教育の実現を求める取組を強化していくことが重要」と語った。

　また、「教育予算の大幅増額を市長や市教委に対して要求するとともに、義務教育九年間を通した三十人以下学級の早期実現に向けて、国へ働きかけるよう努力を継続させる取組が大切」と話した。

　議事では、本年度の札教組のたたかいについて総括したほか、来年度の運動方針を決めた。

　運動方針の「たたかいの重点」には、「教育の国家主義化、学校教育への市場原理にもとづく差別・選別の競争主義の導入に反対し、民主教育確立のたたかいをすすめる」「教職員の差別・分断をねらいとした査定昇給制度・教職員の人事評価制度の実体化を許さないたたかいを進める」「いじめ・いじめによる自殺・非行・問題行動の克服に向けて、全力をあげて取り組む」などを掲げた。

　このほか、県費負担教職員の給与負担等の政令指定都市への移譲について、組織力の向上を図る議論を行うこととした。

　また、「県費負担教職員給与負担等の政令指定都市への移譲についての課題を解決し、組織力の向上を図る取組を進める」など八つの方針を掲げた大会宣言も採択した。

　役員改選では筒井委員長を再任したほか、新副委員長に上野幌東小の岡村氏と南月寒小の竹内氏を選任した。

　二〇一六年度の執行部体制はつぎのとおり。＝敬称略＝

▽執行委員長（支部長）＝筒井比呂志

▽執行副委員長（副支部長）＝岡村孝一（上野幌東小・新）、竹内有美（南月寒小・新）

▽書記長＝佐藤聡之（中島中）

▽書記次長＝松尾秀一（宮の丘中）、棗五郎（札幌中）

▽専従執行委員＝長尾大介（石山南小）、中山大輔（新琴似北小・新）

(関係団体 2016-03-01付)