道南特別支援教育ネットワーク協議会　一層の充実へ意見交換　第２回会議で３地区の現状確認

（関係団体 2016-03-07付）

次年度以降の対策等について意見を交わした

　【函館発】道南特別支援教育ネットワーク協議会（代表・茂垣之弘函館盲学校長）は二月二十五日、函館聾学校で本年度第二回会議を開催した。関係者約三十人が参加。渡島、桧山、函館市と、三地区における本年度の活動状況を振り返りながら、特別支援教育の一層の充実に向けて課題を探るとともに、次年度以降の対策等について意見を交わした＝写真＝。

　開会あいさつに立った茂垣代表は、特殊教育から特別支援教育へと変わり、保護者の意識も大きく変わってきていることや、特別支援教育に関するネットワークが拡大する中で、より適切な教育相談が可能となってきたことを強調。「ことし四月からの障害者差別解消法施行を踏まえ、我々の活動も一層有意義なものにしていきたい」と、協力を求めた。

　会議では、渡島教育局の吉田卓郎指導主事、桧山教育局の丸山敏儀指導主事、函館市教委の小棚木こずえ指導主事の三人が、それぞれの地区の特別支援教育の動向を報告した。

　吉田指導主事は、渡島管内の動向として、障がいのある子どもたち一人ひとりに対する個別の教育支援計画の作成が進展していることや、研修等によって特別支援教育担当者の資質向上が進んでいるといった成果を報告した。一方で、今後の課題として、より早期に支援体制を構築する必要性などを示した。

　丸山指導主事は、桧山管内の現状にふれ、特別支援教育における教師の経験差が大きいといった地域事情を示した。こうした課題解決に向けては、相談支援マップを作成し、支援体制の強化を図っていることを報告した。一方で、通常学級に通っている支援を要する子どもで、個別の教育支援計画が作成されないまま、次校に移る際の引継ぎ方法や、将来の就労につながる支援計画づくりなどを課題に挙げた。

　小棚木指導主事は、函館市内の状況を報告。通常学級に在籍し、支援を必要とする子どもが増えていること、自立する学校を目指して、特別支援教育に関する校内体制の整備が進んでいることを説明した。一方で、支援員などの人数が限られ、すべての案件に素早く対応できるとは限らないことを課題に挙げ、教師一人ひとりの専門性向上や、専門家の育成を図る必要性を強調した。

　このあと、三地区の報告をもとに協議を行い、それぞれの成果と課題を踏まえ、教育相談担当者の資質向上方策などについて意見を交わした。

(関係団体 2016-03-07付)